背景数学では「特性方程式」という言葉が次の異なる分野で登場する:
これらは互いに繋がってはいる。 また、実際問題として、数列では特性方程式を手段として覚えさせるも、 本質は線形性である。 以下に、数列の漸化式を線形演算として捉え、 *1
例: 教科書より詳しい高校数学 https://yorikuwa.com/m5120/
*2 例: おいしい数学 https://mathsuke.jp/characteristic-equation-recurrence/ *3 例: 東大塾長の理系ラボ https://rikeilabo.com/bacis-recurrence-formula-list *4 例: UBQ数理フォーラム https://ameblo.jp/ubqubq/entry-11553388315.html 各論まずは現状の確認として、本節では各概念を簡単に説明する。 数列の線形漸化式と特性方程式による解法等差数列と等比数列の漸化式高校で数列を扱う際に、等差数列、等比数列、漸化式の順に習う。 これらはそのまま単純な漸化式として捉えることができる。 1次線形漸化式問題はこれらを合わせた漸化式を持つ数列。
ここで、数列 を考えば、初項、公比の数列のため、
を移項すれば、の一般項が求まる。 2次線形漸化式連続3項の漸化式として、 のタイプの問題も高校で扱う。 すると、解と係数の関係で 、と言えるので、これを利用して、 同様に、とが対称的なので、逆に扱った変換もできて、 それぞれから等比数列を出して、 さらに数列の差を取れば、 よって、 *6
いわゆる解なしの場合も虚数解を認めば解けるが、複素数を知らない高校生では軽く詰む。
参考: 数学キノシタの家庭教師な日々: https://eisuukinoshita.hatenablog.com/entry/20170308/1488930649。 定数係数線形常微分方程式と特性方程式による解法定数係数線形常微分方程式一般に微分可能な1変数関数をを回微分したを全ての常微分と言い、 要は具体に、
煩わしいので、一般的にはを省き、最高階の係数をとし、微分演算子を導入する。
1階定数係数線形常微分方程式は辺々にを掛けることで、単純な微分に変形できる。 のため、
ここで、元の方程式は形式的にと書けるので、 2階定数係数線形常微分方程式特性方程式を利用した標準的な解法は説明するのに大変な労力が要る*7*8。 2階定数係数線形常微分方程式に対し、 特性方程式は二次方程式で、 ただし、 この関係を使えば、2階の線形微分演算子を同様に1階線形微分演算子の合成に分解できる。 よって、 これを1階線形微分演算子の逆演算として解けば入れ子の積分になる。 あとは積分定数も忘れずに積分するだけで解ける*11。 *7
Matsuda's Web Page/(高専生のための)微分方程式解法ノート/2. 簡単な線形微分方程式>http://www.tsuyama-ct.ac.jp/matsuda/d-eq/bi2.pdf
*8 Matsuda's Web Page/(高専生のための)微分方程式解法ノート/3. 線形微分方程式の特殊解の求め方>http://www.tsuyama-ct.ac.jp/matsuda/d-eq/bi3.pdf *9 http://limg.sakura.ne.jp/LimgMath/index.php?%C4%EA%BF%F4%B7%B8%BF%F4%A3%B2%B3%AC%C0%FE%B7%C1%BE%EF%C8%F9%CA%AC%CA%FD%C4%F8%BC%B0 *10 積分対象の範囲に注意。括弧で明記すると のようになる。 *11 と言うのも、標準解法では積分定数を書かないようない例外的な扱いをするから。 |