偏微分と常微分の違いでは、$$ dt $$の数え方で色んな偏微分$$ \ppd{f}{t} $$が考えられ、常微分と所謂偏微分はそれぞれが色んな偏微分の一つであることが分った。そのため、偏微分と常微分の統一表記を考えるには、色んな偏微分を書き表せば良い。

今回は、図を使って偏微分の意味を考え、統一表記である代入微分を定義する。

絵的な偏微分と全微分 EditToHeaderToFooter

3次元微小座標系 EditToHeaderToFooter

偏微分と常微分の違いでは3変数関数$$ f(x, y, t) $$について考えた。$$ f(x, y, t) $$を図にする、4つの軸:$$ f $$$$ x $$$$ y $$$$ t $$を持つ4次元の図になる。しかし、簡単に理解できるのは3つの軸までの図であるため、

、分りやすい図にするには2変数関数が限界である。幸い、$$ x $$を無視しても同じことが言えるため、今回は$$ x $$の無い$$ f(y(t), t) $$について考える。

  1. 真右に向かう横軸は$$ \iro[md]{dt} $$である。
  2. 左奥に向かう斜軸は$$ \iro[md]{dy} $$である。
  3. 真上に向かう縦軸は$$ \iro[md]{df} $$である。(邪魔になるため省略)
  4. 原点は、$$ y,t,f $$座標系で言う、与式1と与式2を満たす任意の点$$ \mathrm{P} $$である。
    微小座標系.png
    図4:微小座標系$$ dy,dt,df $$と座標系$$ y,t,f $$の関係

今回考える関数は以下である。$$ x $$が無いことを除き、偏微分と常微分の違いの話と条件が同じである。ただし、$$ x $$が無いために$$ \ddd{f}{t} $$の値が異なっていることに注意。

与式1: $$ f(y, t) $$$$ = $$$$ \iro[mr]{2y} $$$$ + $$$$ \iro[ak]{3t} $$

与式2: $$ y $$$$ = $$$$ 3t $$

簡単なため、以下の式変形から作れる赤、赤紫、紫色の偏微分を使う。

$$ f $$

$$ = $$$$ \iro[mr]{2y} $$$$ + $$$$ \iro[ak]{3t} $$

$$ \iro[ak]{\ppd{f}{t}} $$$$ = $$$$ \iro[ak]{3} $$

$$ = $$$$ \iro[mr]{1y} $$$$ + $$$$ \iro[pk]{6t} $$

$$ \iro[pk]{\ppd{f}{t}} $$$$ = $$$$ \iro[pk]{6} $$

$$ = $$$$ \iro[mr]{0y} $$$$ + $$$$ \iro[mr]{9t} $$

$$ \iro[mr]{\ppd{f}{t}} $$$$ = $$$$ \iro[mr]{9} $$

これらの偏微分と関連パラメータを図にすると、こんな感じになる:

f=2y+3t.pngf=1y+6t.pngf=0y+9t.png
図1:$$ f $$$$ = $$$$ \iro[mr]{2y} $$$$ + $$$$ \iro[ak]{3t} $$図2:$$ f $$$$ = $$$$ \iro[pk]{1y} $$$$ + $$$$ \iro[ak]{6t} $$図3:$$ f $$$$ = $$$$ \iro[ak]{0y} $$$$ + $$$$ \iro[ak]{9t} $$

(編集メモ)

  • 平面$$ f(y,t) $$が、直線$$ f(y(t), t) $$を軸に回転できてるのが確認できる。
  • $$ \ddd{f}{t} $$は直線$$ f(y(t), t) $$$$ t $$軸に対する傾きのため、唯一に決まる。
  • $$ \ppd{f}{t} $$は平面$$ f(y, t) $$$$ f,t $$面で交わる線の傾きのため、面が回転するから無数にある。
  • 平面$$ f(y,t) $$が、直線$$ f(y(t), t) $$はもはや違う関数。
  • さらに、それぞれの回転角度での平面$$ f(y,t) $$も違う関数。
  • よって、これらの関数を書き分ければ、偏微分も常微分も区別する必要が無くなる
  • それは、微分する前に、微分対象の代入で区別しべきという結論に至る。
  • ⇒凌宮表記:代入微分:$$ \ddd{f}{x} $$$$ f $$に代入表記と組み合わせて偏微分と常微分を区別する。
  • ⇒難解な方向微分も物質微分も代入微分の表記に含まれる?←要検証

次に、$$ dy, dt $$平面について:

  1. 緑色の直線は、全て$$ dy,dt $$平面上にある。
  1. 平面
    1. 紫色の線は全て$$ yt $$平面に平行する。
    2. 赤紫の線は全て$$ fy $$平面に平行する。
    3. 赤色の線は全て$$ ft $$平面に平行する。
    4. 灰色の平面は$$ yt $$$$ fy $$$$ ft $$のそれぞれと平行しない。
    5. 紫色と赤色の直線は、灰色の面上にある。
  1. $$ \iro[md]{y} $$軸にも$$ \iro[md]{t} $$軸にも平行せず、任意点を通り、右奥に向かう緑色の線は、$$ y, t $$平面上における$$ \iro[md]{y = 3t} $$のグラフである。
  1. $$ fy $$平面
    1. $$ \iro[md]{y} $$軸に沿って、$$ \iro[md]{3y} $$

$$ \iro[ki]{t} $$$$ \iro[ki]{y} $$$$ \iro[ki]{f} $$

$$ \iro[md]{f} $$

$$ \iro[ki]{\mathrm{O}} $$$$ \iro[ki]{\mathrm{R}} $$$$ \mathrm{P} $$

$$ \iro[ki]{\:r} $$

$$ \iro[md]{dt} $$$$ \iro[md]{dy} $$$$ \iro[md]{df} $$

$$ f(y,t) $$$$ f(y(t),t) $$

filef=0y+9t.png 456件 [詳細] filef=1y+6t.png 636件 [詳細] filef=2y+3t.png 496件 [詳細] file微小座標系.png 6001件 [詳細]
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