α鉄とγ鉄の充填率比と密度比 のバックアップ(No.6) |
概要鉄は約910℃で体心立方構造のα鉄から、面心立方構造のγ鉄に相転移する。
解答例として、密度比が充填率比に等しいとして、構造から一義に計算できる充填率比で代用する方法が挙げられる。 原子半径の差異、および、充填率と密度の乖離(整理予定)http://fracmech.me.es.osaka-u.ac.jp/days/staff/kizaiB1.pdf pp.9-10/26より、単位格子中の原子数と格子定数は以下の通り*1。
一般に、幾何的には格子定数だけで以下の量が計算できる。
ここで、鉄の原子1個の質量と置くと、
原子半径が0.124nmと0.127nmと差で0.003nm、比で1.018程度の差異に対し、 充填率と密度の乖離と半径の関係======= 原子半径が変わらない場合は、=1となり、充填率と密度が一致する。 注意γ鉄の格子定数に=0.364という値も見つかっていて*2、この値を使うと、密度の大きさが逆転する。 実験データを使った比較東北大学選鉱製錬研究所の渡部らは広い温度範囲で純鉄の密度を測定している。
渡部らはp246のFig6に密度の温度変化の結果を掲載している。
測定結果に近似補間を重ねた図を図1に示す。 図より、転換点(=1183K)における補間は良く近似できていることが分かる。
これは、標準解答として提示される充填率=1.089より一桁小さい値である。 原子半径の試算以下に、論文の補間式の値を密度に用い、原子半径を試算する。 原子量、アボガドロ定数より、原子1個あたりの質量はで与えられる。 原子半径は=や=として以下に計算できる:
α鉄からγ鉄への相転移において原子半径は3割増しである。 参考に、各温度における原子半径の変化を図2に示す。 |
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