y=f(x,t)=g(τ) で表されるべき関係を以下に分析する:

Ch.1【1変数関数】

§1〖変数〗

まず仮に、x を何らかの物理変数とする。数学的には要は変数である。

§2〖関数〗一般に、1 変数関数 f は f(x) と表記される。定数 a を代入した値を f(a) と書くため、関数表記と代入表記が表記だけでは区別できない。

そこで、1 変数であることを f:x と表記しよう。さらに定義域が X 、値域 Y と関数値 y を合わせて、f:X→Y:x→y と表記しよう。

この x は関数 f の束縛変数と呼ばれ、変数の一種ではあるが、未使用の文字に書き換えても同じ関数を表す。

例示1、f:x=f:a=f:p

束縛変数以外の変数を自由変数と呼ばれる。

以後、従来表記に対し、この表記を厳密表記と呼ぶ。

例示2、一般的にf(x)=2x と書く場合、f:R:x=(2x):R:x=2x:R:x と厳密に表記できる。f:x=2x:x と略すが、f:p=2p:p と書いてもf:x=2p:p と書いても同じである。

2x だけなら x を不定元とする多項式に見えるが、2x:x で x を変数とする関数と書き分けできると理解して良い。

厳密表記では、定数関数と定数を区別する。

例示3値が2の定数: 2値が2の定数関数: 2:x=2:p

§3〖関数に対する定数の代入〗

f:x の束縛変数に対し、具体的な定数 3 で置換することを f:x.3 と書こう。f:x.3 では x が 3 に置換される。

この置換が一般に言う代入になる。「.」を代入演算子と呼ぶ。

例示1、2x:x.3=2×3=6 である。

例示2、a を定数と決め付けると、2x:x.a=2a になる。

関数に定数を代入したら、定数になる。

§4〖関数に対する変数の代入〗

前節の濫用として、f:x の束縛変数に対し、具体的な変数 v で置換することを f:x.v と書こう。

例示1、2x:x.v=2v である。

関数に変数を代入したら、変数になる。

§5〖関数に対する関数の代入〗

更なる濫用として、f:x の束縛変数 x に対し、具体的な関数 g:y で置換することを f:x.(g:y)と書こう。

例示1、2x:x.(g:y)=2(g:p)=(2g):p=2g:p である。

例示2、具体に、2x:x.(3y:y)=2(3y:y)=6y:y

そこで、関数に関数を代入した結果を関数と見なす。一般的に、関数に関数を代入して得られる関数を合成関数と呼ぶ。

§6〖変数の関数化〗vを変数とすると、2v は変数である。これらは、関数となる v:v と 2v:v とは厳密に区別される。

その一方で、関数 v:v は変数 v の束縛変数化と見なせる。同様に、2v:v は変数 2v に対し、v を束縛変数化した関数と見なせる。2v:2v も同様に解釈でき、2v:2v=x:x=v:v である。

また、関数 2v:v に対し、定数 u を代入した結果は、2v:v.u=2u であるため、関数 2v:v は自由変数 2u と u の関係を表す関数とも見なせる。

§7〖定数の関数化〗

定数が変数の特別な形態であるため、変数の関数化も自ずと定義されることになる。定数 2 に対し、2:x は x の値に依らず定数値 2 を取る定数値関数となる。関数であるため、2:x=2:y=2:p と束縛変数の表記は任意である。

ただ、2=2:x の真偽に関する議論は保留とする。左辺が関数ではないため、まず関数同士の同値関係の範疇ではない。次に左辺を0変数の関数と見なしても、それは次の多変数関数の範疇になる。

Ch.2【多変数関数】

§1〖関数〗一般に、2 変数関数 f は f(x,y) と表記される。定義域を x∈X、y∈Y、値 z と値域 Z の場合の厳密表記を f:X×Y→Z:(x,y)→z と表そう。

定義域と値域と値が気にならない場合は、f:(x,y)と略す。

例1 f:(x,y)=(2x+3y):(x,y)

束縛変数の数が自然数個の多変数関数も同様に表せる。

例2 f:(x,y,z)=(2x+3y+4z):(x,y,z)

定数を束縛変数 0 個の関数と見なすこともできる。

例3 f:()=2:()

確認、2:() と 2:(x) は異なる関数。

§2〖ベクトル値束縛変数〗

多変数関数の複数の束縛変数を1組の束縛変数と見なせる。その束縛変数の組をベクトル値と呼び、(x,y) のように書こう。今までの引数列もベクトル値と見なす。1変数では特例として括弧を省けるものとする。

v=(x,y) と置くと、f:(x,y)=f:v と書ける。

v=(x,y)、c=(a,b) と置くと、f:(x,y).(a,b)=f:(x,y).c=f:v.c=f:v.(a,b) と書ける。

§3〖ベクトル値関数〗

ベクトル値を生成する関数も考えられる。f:x、g:y について、h:(x,y)=(f:x, g:y) と定義できる。

例 h:(x,y)=(f:x, g:y)=(2x:x, 3y:y) のとき、h:(x.y).(4,5)=(2x:x, 3y:y).(4,5) =(2×4, 3×5)

注意:(f:x, g:y) は h:(x,y) と書けるが、(f:x, g:y)≠(f,g):(x,y) とする。対して、(f,g):(x,y)=(f:(p,q).(x,y), g(r,s).(x,y)):(x,y)と定義する。

(f,g):(x,y) は f と g が共に (x,y) に関する2変数関数を表すが、(F:x, G:y) では F と G がそれぞれ x と y に関する1変数関数を表す。f:(x,y)≠F(x) である。

ただ、(f:x, g:y)=(f:p, g:q)=(f:p.x, g:q.y):(x,y) と書くのは厳密である。そのため、h:(x,y)=(f:x, g:y)=(f:p.x, g:q.y):(x,y) と書けて、z=(x,y)と定義すると、h:z=h:(x,y) と書ける。

§2〖多変数関数への定数の代入〗1 変数関数と同様、定数を代入すると定数になる。

例1 (2x+3y).(4,5)=2×4+3×5=23

§3〖多変数関数への変数の代入〗1 変数関数と同様、変数を代入すると変数になる。

例1 (2x+3y).(A,B)=2A+3B

なお、一部の束縛変数に定数を代入しても、1つでも変数が含まれば関数値は変数になる。

例2 (2x+3y).(A,5)=2A+3×5=2A+15

§4〖多変数関数への関数の代入〗1 変数関数と同様、関数を代入すると関数になる。

例1 (2x+3y).(4u:u,5v:v)=2(4u:u)+3(5v:v)=8u:u+15v:v=(8u+15v):(u,v)=(8x+15y):(x,y)

なお、一部の束縛変数に定数を代入しても、1つでも関数が含まれば関数値は関数になる。

例2 (2x+3y).(4u:u,5)=2(4u:u)+3×5=8u:u+15=(8u+15):(u)=(8x+15):(x)

注意、代入する関数の束縛変数を揃えて書いても、関数の束縛変数の任意性により、異なる変数と見なす。

例3 (2x+3y).(4w:w,5w:w)=(2x+3y).(4u:u,5v:v)

そこで、共通の束縛変数を表すのに、多関数値関数を (4w, 5w):w のように表す。

例4 (2x+3y).((4w, 5w):w)=(2(4w)+3(5w)):w=(8w+15w):w=23w:w

Ch.3 【微分】

§1〖1変数関数の微分係数〗

一般に、1変数関数 f(x)の x=A における微分係数はf'(A)= lim_{o→0} {f(A+o)−g(A)}/o と定義される。他にも f'(A)= ∂f(A)/∂x = ∂f(x)/∂x|_{x=A} と表記される。

A が定数であるとき、f'(A) は何者になるのか。結論から言うと、f'(A)は存在すれば定数になる。

o は lim の束縛変数である。f(A+o) は関数への変数の代入で変数となる。f(A)は関数への定数の代入で定数となる。{f(A+o)−g(A)}/o は o を含むために変数になるが、lim の計算結果として o が消えてなくなり、定数と化す。

以上を踏まえて、微分係数の定義を厳密表記に書き換えると、f:x の点 A における微分係数は、f'(A)=lim_{o→0} {f:x.(A+o)−f:x.A}/o

既存の微分表記も情報が足りないため、便宜的に ∇:(g:n, m).(f:x, A) と表そう。∇:(g:n, m) は 2 変数関数となるが、第1束縛変数には1変数関数を取る。束縛した関数が代入される定義となっていて、定数を代入すれば結果は定数値になる。

微分係数の定義式は以下に表現できる。∇:(g:n, m)=(lim_{o→0} {g:n.(m+o)−g:n.m}/o):(g:n, m)

例示1、∇:(g:n, m).(x², 3)=(lim_{o→0} {g:n.(m+o)−g:n.m}/o):(g:n, m).(x², 3)= lim_{o→0} {x².(3+o)−x².3}/o= lim_{o→0} {(3+o)²−3²}/o= lim_{o→0} {3²+6o+o²−3²}/o= lim_{o→0} (6+o)= 6

§2〖1変数関数の常微分(=導関数)〗

一般に、1変数関数 f(x) の常微分はf'(x) = lim_{o→0} {f(x+o)−f(x)}/o と定義される。

常微分は導関数とも呼ばれる。微分係数との違いは、定数を動かして変数としている点である。その結果、常微分の結果は関数となる。

厳密表記では、まず定数 A を自由変数 V に変えた表現が考えられる。すなわち、f:x の常微分を ∇:(g:n, p).(f.x, V) と表す。この表記では、結果に V が残って変数になる。区別のため、これを便宜的に変数常微分または導変数と呼ぶ。

例示1、∇:(g:n, p).(x², V)=(lip_{o→0} {g:n.(p+o)−g:n.p}/o):(g:n, p).(x², V)= lip_{o→0} {x².(V+o)−x².V}/o= lip_{o→0} {(V+o)²−V²}/o= lip_{o→0} {V²+2Vo+o²−V²}/o= lip_{o→0} (2V+o)= 2V

次に、定数 A を関数 v:v に変えた表現も考えられる。すなわち、f:x の常微分を ∇:(g:n, p).(f.x, v:v) と表す。この表記では、結果に v:v が残って関数になる。区別のため、これを便宜的に関数常微分または導関数と呼ぶ。

例示2、∇:(g:n, p).(x², v:v)=(lip_{o→0} {g:n.(p+o)−g:n.p}/o):(g:n, p).(x², v:v)= lip_{o→0} {x².(v:v+o)−x².(v:v)}/o= lip_{o→0} {(v:v+o)²−(v:v)²}/o= lip_{o→0} {(v:v)²+2(v:v)o+o²−(v:v)²}/o= lip_{o→0} (2v:v+o)= 2v:v= 2x:x

通常表記では変数と関数を区別せずに表記するため、厳密表記では2通りの表現に分かれる。また、通常では導関数を関数と見なすため、以後では断らない限り関数常微分で考える。

§3〖2変数関数の偏微分係数〗

一般に、2変数関数 f(x,y) の x=A、y=B における偏微分係数は、以下の通りに x と y の2つの方向に関して別々に定義される。

f'_x(A,B) = lim_{o→0} {f(A+o,B)−f(A,B)}/of'_y(A,B) = lim_{o→0} {f(A,B+o)−f(A,B)}/o

偏微分関数に関して、以下の捉え方ができる。

¶1〔微分対象外の変数を定数と見なす〕

f'_x と f'_y の違いは f(A+o,B) と f(A,B+o) の違いとなる。この場合、x と y は o を加える束縛変数を表す。逆に、f'_x は「 x 以外の束縛変数を定数と見なして微分する」解釈が行われる。

この解釈に忠実に厳密表記に書くと、x 以外の束縛変数を定数と見なすというのは、1変数関数化であり、定数と見なすというものの、あとで束縛変数に戻すので、厳密表記で区別される変数と見なせる。

すなわち、f'_x(A,B) = lim_{o→0} {f(A+o,B)−f(A,B)}/oは∂:(g:(m,n), (i:i,j), (p,q))={lim_{o→0} {[g:(m,n).(i:i,j)].(v+o)−[g:(m,n).(i:i,j)].(v)}/o}:[(i:i,j).v].(p,q):[g:(m,n), (i:i,j), (p,q)]

しかし、これを単純に ∂:(g:(p,q),s,(a,b)).(f:(x,y),x,(3,4)) とは書けない。f:(x,y) は関数表記として完結していて、f:(x,y)=f:(u,v)=f:(y,x) のように束縛変数は任意である。(f:(x,y),x,(3,4))と書いても、外部から特定の束縛変数を参照すべきでない。

そのため、先に自由関数と自由変数を代入して1変数関数に変えてから微分し、後で再び 2 変数関数に戻してから、定数を代入する手順に分解できる。

f:(x,y).(i:i,j)=(f:(x,y).(i,j)):i で 2 変数関数 f:(x,y) を 1 変数関数に変換している。この際、i は :i の指定により束縛変数となり、束縛指示無しの j は自由変数となる。

f:(x,y).(i:i,j):i.(v+o) と f:(x,y).(i:i,j):i.(v) は v や o に連動する変数となる。:[(i:i,j).v] は束縛表記であり、束縛すべき(v,j)を (i:i,j) と v から形式的に計算している。結果は (i:i,j).v=(i,j):i.v=(v,j)

.(p,q) は代入による変数化であり、結果的に :[g:(m,n), (i:i,j), (p,q)] にある (p,q) で再束縛するので、単なる名前の整理と思って良い。

例:∂:(g:(m,n), (i:i,j), (p,q)).(x²y³:(x,y),(k:k,l),(4,5))={lim_{o→0} {[g:(m,n).(i:i,j)].(v+o)−[g:(m,n).(i:i,j)].(v)}/o}:[(i:i,j).v].(p,q):[g:(m,n), (i:i,j), (p,q)].(x²y³:(x,y),(k:k,l),(4,5))={lim_{o→0} {[x²y³:(x,y).(k:k,l)].(v+o)−[x²y³:(x,y).(k:k,l)].(v)}/o}:[(k:k,l).v].(4,5)={lim_{o→0} {(k:k)²l³.(v+o)−(k:k)²l³.(v)}/o}:(v,l).(4,5)={lim_{o→0} {k²l³:k.(v+o)−k²l³:k.v}/o}:(v,l).(4,5)={lim_{o→0} {(v+o)²l³−v²l³}/o}:(v,l).(4,5)={lim_{o→0} {(v²+2vo+o²−v²)l³}/o}:(v,l).(4,5)={lim_{o→0} (2v+o)l³}:(v,l).(4,5)=2vl³:(v,l).(4,5)=2×4×5³=2³×5³=1000

対して、f'_y(A,B) = lim_{o→0} {f(A,B+o)−f(A,B)}/oは∂:(g:(m,n), (i,j:j), (p,q))={lim_{o→0} {[g:(m,n).(i,j:j)].(v+o)−[g:(m,n).(i,j:j)].(v)}/o}:[(i,j:j).v].(p,q):[g:(m,n), (i,j:j), (p,q)]

例:∂:(g:(m,n), (i,j:j), (p,q)).(x²y³:(x,y),(k,l:l),(4,5))={lim_{o→0} {[g:(m,n).(i,j:j)].(v+o)−[g:(m,n).(i,j:j)].(v)}/o}:[(i,j:j).v].(p,q):[g:(m,n), (i,j:j), (p,q)].(x²y³:(x,y),(k,l:l),(4,5))={lim_{o→0} {[x²y³:(x,y).(k,l:l)].(v+o)−[x²y³:(x,y).(k,l:l)].(v)}/o}:[(k,l:l).v].(4,5)={lim_{o→0} {k²(l:l)³.(v+o)−k²(l:l)³.(v)}/o}:(k,v).(4,5)={lim_{o→0} {k²l³:l.(v+o)−k²l³:l.v}/o}:(k,v).(4,5)={lim_{o→0} {k²(v+o)³−k²v³}/o}:(k,v).(4,5)={lim_{o→0} {k²(v³+3v²o+2vo²+o³−v³)}/o}:(k,v).(4,5)={lim_{o→0} {k²(3v²+2vo+o²)}/o}:(k,v).(4,5)=3k²v²:(k,v).(4,5)=3×4²×5²=1200

ここで、2つの偏微分係数の第2束縛が異なるため、統一した記述を考える必要がある。f'_x 〜 ∂:(g:(m,n), (i:i,j), (p,q))f'_y 〜 ∂:(g:(m,n), (i,j:j), (p,q))

そこで、(i,j):u として u∈{i,j}と定義し、これを束縛子と呼ぶ。束縛子を使えば、偏微分演算子を∂:(g:(m,n), (i,j):u, (p,q)) と統一的に記述でき、f'_x(A,B) f(x,y) 〜 ∂:(g:(m,n), (i,j):u, (p,q)).(f(x,y), (i,j):i, (A,B))f'_y(A,B) f(x,y) 〜 ∂:(g:(m,n), (i,j):u, (p,q)).(f(x,y), (i,j):j, (A,B))と書ける。

具体的な定義は∂:(g:(m,n), (i,j):s, (p,q))={lim_{o→0} {[g:(m,n).((i,j):s)].(v+o)−[g:(m,n).((i,j):s)].(v)}/o}:[(i,j):s.v].(p,q):[g:(m,n), (i,j):s, (p,q)]

例:∂:(g:(m,n), (i,j):s, (p,q)).(x²y³:(x,y),(k:k,l),(4,5))={lim_{o→0} {[g:(m,n).*1={lim_{o→0} {[g:(m,n).(i,j)]:s.(v+o)−[g:(m,n).(i,j)]:s.(v)}/o}:[(i,j):s.v].(p,q):[g:(m,n), (i,j):s, (p,q)].(x²y³:(x,y),(k,l):k,(4,5))={lim_{o→0} {[x²y³:(x,y).((k,l):k)].(v+o)−[x²y³:(x,y).((k,l):k)].(v)}/o}:[(k,l):k.v].(4,5)={lim_{o→0} {k²l³:k.(v+o)−k²l³:k.v}/o}:(v,l).(4,5)=…=1000

∂:(g:(m,n), (i,j):s, (p,q)).(x²y³:(x,y),(k:k,l),(4,5))={lim_{o→0} {[g:(m,n).*2={lim_{o→0} {[x²y³:(x,y).((k,l):l)].(v+o)−[x²y³:(x,y).((k,l):l)].(v)}/o}:[(k,l):l.v].(4,5)={lim_{o→0} {k²l³:l.(v+o)−k²l³:l.v}/o}:(k,v).(4,5)=…=1200

¶2〔偏微分の違いを方向の違いと捉える〕

f'_x と f'_y の違いは f(A+o,B) と f(A,B+o) の違いである。f(A+o,B)=f*3、f(A,B+o)=f*4と見れば、偏微分の違いは加える微小量(o,0)と(0,o)の違いとなる。

これを偏微分演算子に反映すると、∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)) と統一的に記述できる。

具体的な定義は、∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q))={lim_{o→0} {g:(m,n).*5−g:(m,n).(u,v)}/o}:(u,v).(p,q):(g:(m,n), (i,j), (p,q))

それぞれの対応は、f'_x(A,B) f(x,y) 〜 ∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(f(x,y), (1,0), (A,B))f'_y(A,B) f(x,y) 〜 ∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(f(x,y), (0,1), (A,B))

例∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(x²y³:(x,y),(1,0),(4,5))={lim_{o→0} {g:(m,n).*6−g:(m,n).(u,v)}/o}:(u,v).(p,q):(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(x²y³:(x,y),(1,0),(4,5))={lim_{o→0} {x²y³:(x,y).*7−x²y³:(x,y).(u,v)}/o}:(u,v).(4,5)={lim_{o→0} {x²y³:(x,y).(u+o,v)−x²y³:(x,y).(u,v)}/o}:(u,v).(4,5)={lim_{o→0} {(u+o)²v³−u²v³}/o}:(u,v).(4,5)={lim_{o→0} {(u²+2uo+o²−u²)v³}/o}:(u,v).(4,5)={lim_{o→0} {(2u+o)v³}/o}:(u,v).(4,5)=2uv³:(u,v).(4,5)=2×4×5³=1000

∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(x²y³:(x,y),(0,1),(4,5))={lim_{o→0} {g:(m,n).*8−g:(m,n).(u,v)}/o}:(u,v).(p,q):(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(x²y³:(x,y),(0,1),(4,5))={lim_{o→0} {x²y³:(x,y).*9−x²y³:(x,y).(u,v)}/o}:(u,v).(4,5)={lim_{o→0} {x²y³:(x,y).(u,v+o)−x²y³:(x,y).(u,v)}/o}:(u,v).(4,5)={lim_{o→0} {u²(v+o)³−u²v³}/o}:(u,v).(4,5)={lim_{o→0} {u²(v³+3v²o+3vo²+o³−v³)}/o}:(u,v).(4,5)={lim_{o→0} {u²(3v²+3vo+o²)}/o}:(u,v).(4,5)=3u²v²:(u,v).(4,5)=3×4²×5²=1200

∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)) の (i,j) に対する代入に関して、(0,1)と(0,1)以外も考えられる。一般に、w=(cosθ,sinθ)を代入すると、l方向への方向微分となる。

¶3〔偏微分の違いを勾配の成分違いと捉える〕

一般に、2変数関数について、両方の偏微分からなるベクトルを勾配と定義する。定義より、偏微分は勾配の成分となる。

∇f(x,y)=[f'_x(x,y), f'_y(x,y)]

f'_x(x,y)=[f'_x(x,y), f'_y(x,y)]・[1,0]=∇f(x,y)・[1,0]=[∇f(x,y)]_xf'_y(x,y)=[f'_x(x,y), f'_y(x,y)]・[0,1]=∇f(x,y)・[0,1]=[∇f(x,y)]_y

厳密表記では

∇:(g:(m,n), (p,q))=[∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(g:(m,n), (1,0), (p,q)), ∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(g:(m,n), (0,1), (p,q))]:(g:(m,n), (p,q))

∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(f:(x,y), (1,0), (A,B))=∇:(g:(m,n), (p,q)).(f:(x,y), (A,B))・(1,0)∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(f:(x,y), (0,1), (A,B))=∇:(g:(m,n), (p,q)).(f:(x,y), (A,B))・(0,1)

決まった2方向の偏微分となるので、勾配∇自体の束縛には方向の指定が含まれない。この勾配が、1変数関数の常微分に相当する。

§4〖分数形微分表記の分母が表す情報〗

一般に、f(x,y) の x に対する偏微分を ∂f(x,y)/∂x と書く。以下に、偏微分演算子 ∂/∂x の各厳密表記における解釈を考える。

¶1〔微分対象外の変数を定数と見なす〕

(∂/∂x)f(x,y) 〜 ∂:(g:(m,n), (i,j):s, (p,q)).(f:(x,y), (i,j):i, (x,y))(∂/∂y)f(x,y) 〜 ∂:(g:(m,n), (i,j):s, (p,q)).(f:(x,y), (i,j):j, (x,y))

多変数関数を1変数関数に変換する考え方になるので、∂/∂x で残す唯一の変数を指定していることになる。

f(x,y) は関数と束縛変数を指定し、結果も関数で同じ束縛変数を使う。f(4,5) は関数を指定するが、束縛変数の個数が形から分かるが、(x,y)なのは文脈判断となる。∂/∂x は関数の束縛変数を名指して参照していることになる。ただ、束縛変数の値には参照せず、メタ的に参照する束縛変数と他の束縛変数を区別するための参照となる。

¶2〔偏微分の違いを向きの違いと捉える〕

(∂/∂x)f(x,y) 〜 ∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(f(x,y), (1,0), (x,y))(∂/∂y)f(x,y) 〜 ∂:(g:(m,n), (i,j), (p,q)).(f(x,y), (0,1), (x,y))

Ch.3 【微分表記の情報量】

§1 演算子形

*1 i,j):s)].(v+o)−[g:(m,n).((i,j):s)].(v)}/o}:[(i,j):s.v].(p,q):[g:(m,n), (i,j):s, (p,q)].(x²y³:(x,y),(k,l):k,(4,5
*2 i,j):s)].(v+o)−[g:(m,n).((i,j):s)].(v)}/o}:[((i,j):s).v].(p,q):[g:(m,n), (i,j):s, (p,q)].(x²y³:(x,y),(k,l):l,(4,5
*3 A,B)+(o,0
*4 A,B)+(0,0
*5 u,v)+ o(i,j
*6 u,v)+ o(i,j
*7 u,v)+ o(1,0
*8 u,v)+ o(i,j
*9 u,v)+ o(0,1
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