射影空間における比の値 のバックアップの現在との差分(No.3) |
背景数学には「比」という有用な概念があり、小学校から教えられる。 具体に、2つの数との比をと書き、その値をとする。 具体に、2つの数 と の比を と書き、その値を とする。 他方、比は射影空間の元と一般化され、がの場合や、3項以上の連比も扱う。 がの場合はゼロ除算になるため、比の値が存在しないか扱いになる。 他方、比は射影空間の元と一般化され、 が の場合や、3項以上の連比も扱う。 が の場合はゼロ除算になるため、比の値が存在しないか 扱いになる。 連比の場合は、比の値がベクトルとして扱われるし、ゼロ除算も正しく扱えるが一般的ではない。 以下では、比と比の値に関して整理し、3項以上の比の値について考える。 単比(2項の比)比直観的な定義は、2つの数とについて、共通の数を両方に掛けても保つ関係を言う。 具体に、と表記し、が成り立つ関係を表す。 具体に、 と表記し、 が成り立つ関係を表す。 厳密な定義は、体上の2次元射影空間として、 順序対と同値関係でと定義される。 厳密な定義は、体 上の2次元射影空間 として、 順序対と同値関係で と定義される。 具体に、 一番多用されるのは実数体上の射影空間。 対し、小学校で扱う「有理数」が負の数を含まないため、 例えば、
他方、小学校で扱う「有理数」が負の数を含まないため、 有理数が体の要件を満たさず、その比も射影空間を為さない事実には細心の注意が必要である。 比の値単比の値は、 と定義される場合が多い。 というのも、歴史的に除算と比の区別が無く、今でもフランスやドイツではで割算を表す*4。 日本では比と割算を表記上では区別するが、比の値で繋がっている*5*6。 なお、除算に関して、除数がの場合は未定義。 そのため、後項がの比の値も未定義とされる場合が多い。 *4
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=62419?site=nli
*5 「比の値」が学習指導要領で要求されている用語 ref: https://www.nier.go.jp/guideline/h28e/chap2-3.htm *6 昔は加比の理など比ならではの演算も扱うが、今は比の値の四則演算でできる範囲に留まっている。 コンパクト化 ── 1点コンパクト化後項がの実数比に対応する実数値を定義できない不便さを補うのに、 実数に1点を追加したコンパクト化*7が有効である。 具体に、
図形的意味 ── 実射影直線連比(3項以上の比)比比の値コンパクト化図形的意味 |