$$ \:a $$の単位ベクトル:$$ \:1(\:a) $$ EditToHeaderToFooter

大きさ・向きの分離 EditToHeaderToFooter

単位ベクトルとは、長さが$$ 1 $$のベクトルである。任意のベクトル$$ \:a $$に対し、長さは$$ | \:a | $$と表記され、単位ベクトルは$$ \ffd{\:a}{|\:a|} $$となる。
単位ベクトルとは、長さが$$ 1 $$のベクトルである。

任意のベクトル$$ \:a $$に対し、大きさは$$ | \:a | $$で与えられ、単位ベクトルは$$ \ffd{\:a}{|\:a|} $$となる。
単位ベクトルの表記法として、一応$$ \:a $$のように文字を与えられた場合は$$ \hat{\:a} $$というのがある。
これを利用すれば、$$ \:a $$大きさ向きに分けて記述できる。
$$ \:a $$$$ = $$$$ \iro[ao]{|\:a|} $$$$ \iro[md]{\ffd{\:a}{|\:a|}} $$    (ただし、$$ \iro[md]{|\:a|} $$$$ \neq $$$$ 0 $$

単位ベクトルの表記法として、既にハットマークを用いた$$ \hat{\:a} $$という表記法がある*1
しかし、この表記法は$$ \:a + \:b $$$$ \:\nabla f $$のような式には使えない。
しかし、このハット記法は主に基底や単位法線ベクトルなど決まった文字と組み合わせて習慣的に用いられているに過ぎず、

字面的にも$$ \:a + \:b $$$$ \:\nabla f $$のような式の単位ベクトルには使い難い。
そこで、凌宮数学では、単位ベクトルを「$$ \:1 $$」と表記する。大きさが「1」だから「1」と書きたいだけだが、これより式が直感的に読みやすくなる。また、表記の自由度を高めるため、作用対象との関係を以下の2通りとする。
そこで、凌宮数学では、単位ベクトルを「$$ \:1 $$」と表記する。

単位ベクトルが大きさ$$ 1 $$のベクトルであるため、太字の1を選んだ。
  1. 添字表記任意のベクトル$$ \:a $$に対する単位ベクトルは$$ \:1_\:a $$と表記する。これは主に$$ \hat{\:a} $$の表記に対応し、全体を一つの記号として扱うときに用いる省略記法である。
  2. 関数表記任意のベクトル$$ \:a $$に対する単位ベクトルは$$ \:1(\:a) $$と表記する。これより、式に対して$$ \:1(\:a + \:b) $$$$ \:1(\:\nabla f) $$のように表記できる。
    表記の自由度を高めるため、任意のベクトル$$ \:a $$に対し、以下2つの表記を定義する。
  3. 添字表記$$ \:1_\:a $$: 単位ベクトル自体を表す意味合いが強い略記法。
  4. 関数表記$$ \:1(\:a) $$: 単位ベクトルを求める演算を表す意味外が強い表記法。

様々な単位ベクトルの例 EditToHeaderToFooter

以下に様々な単位ベクトルを例示してみる。特に関数表記は、長い式に対する単位ベクトルの表記に便利: $$ \:1(\:a + \:b) $$$$ \:1(\:\nabla f) $$

以上より、ベクトル$$ \:a $$と同じ向きの方向ベクトルを$$ \:1(\:a) $$$$ = $$$$ \ffd{\:a}{|\:a|} $$と定義できる。

この上、通常は零ベクトルの単位ベクトルを考えないが、$$ \:1(\:0) $$$$ = $$$$ 0 $$と定義しておくと、

零ベクトルを含めた任意ベクトルの大きさ・向きの分離表記を例外なく記述できる。
$$ \:a $$$$ = $$$$ \iro[ao]{|\:a|} $$$$ \iro[md]{\:1_{\:a}} $$
*1 一部の教科書やWikipedia/単位ベクトル

単位ベクトル記号の用例 EditToHeaderToFooter

以下に単位ベクトルを用例について考えてみる。中には、通常はワザワザ単位ベクトルであることを示さないものまで含むが、「1」っぽく書いて初めて気づくのであれば、この「$$ \:1 $$」は役になったことになる。「1」っぽく書いて初めて気づくのであれば、この「$$ \:1 $$」は役に立ったことになる。

通常のベクトル(既出) EditToHeaderToFooter

$$ x $$$$ y $$$$ z $$座標系の単位ベクトルは、添字表記を用いて$$ \:1_x $$$$ \:1_y $$$$ \:1_z $$と表記する。

任意のベクトル$$ \:a $$に対し、単位方向ベクトルを$$ \:1(\:a) $$または$$ \:1_{\:a} $$と表記する。

スカラー EditToHeaderToFooter

スカラーは$$ 1 $$を基底とする1次元ベクトルと見なすことができる。このため、任意のスカラー$$ s $$の単位ベクトルを$$ \:1(s) $$$$ \equiv $$$$ \:1_1 = 1 $$と表記できる。

実数 EditToHeaderToFooter

実数は$$ 1 $$を基底とする1次元ベクトルと見なせる。このため、任意のスカラー$$ s $$の単位ベクトルを$$ \:1(s) $$と表記できる。
$$ s $$は正の数$$ p > 0 $$なら、$$ \:1(p) $$$$ \equiv $$$$ \:1_1 $$$$ = $$$$ 1 $$となる。$$ s $$は負の数$$ m < 0 $$なら、$$ \:1(m) $$$$ \equiv $$$$ \:1_{-1} $$$$ = $$$$ -1 $$となる。$$ -1 $$もまた立派な単位ベクトルである。
また、この結果から、実数では$$ \:1 $$で符号を表せるのが分かる

複素数 EditToHeaderToFooter

虚数単位は複素数の基底と見なすことができ、$$ | \:i | = 1 $$のため正規である。このため、$$ \:i $$$$ \:1_{\:i} $$と表記できる。複素数では$$ 1 $$と虚数単位$$ \:i $$を基底とするベクトルと見なせる。このため、任意の複素数$$ \alpha $$に対し、$$ \:1(\alpha) $$$$ = $$$$ \ffd{\alpha}{|\alpha|} $$と定義できる。
この定義に従えば、$$ \:1(\alpha) $$は虚数平面上の単位円上の点となる。値としては、$$ \alpha $$の極形式を$$ \lambda e^{\:i \theta} $$とすると、$$ \:1(\alpha) $$$$ = $$$$ \:1(\lambda e^{\:i \theta}) $$$$ = $$$$ e^{\:i \theta} $$となる。
特殊な単位ベクトルとして、実数にあった$$ \:1_1 $$$$ \:1_{-1} $$の他、虚数単位$$ \:1_{i} $$$$ = $$$$ \:i $$とその逆である$$ \:1_{-i} $$$$ = $$$$ - \:i $$が挙げられる。

符号関数 $$ \mathrm{sgn} $$ EditToHeaderToFooter

実数の例で符号の話が出てきたが、符号を表す符号関数なるものがあって、値が$$ \:1 $$に一致する。
実数$$ x $$に対し、符号関数は$$ \mathrm{sgn} $$$$ a $$$$ = $$
 #spanend &spanadd; \Bigg\{&spanend; &spanadd; \begin{array}{rcc}&spanend; &spanadd; 1 & : & a > 0&spanend; &spanadd; \\ 0 & : & a = 0&spanend; &spanadd; \\ -1 & : & a < 0&spanend; &spanadd; \end{array}&spanend; #spanadd 
/home/limg/www/LimgMath/eq! You can't use `macro parameter character #' in math mode.
 $\displaystyle \mathstrut { ##
                                         spanend &spanadd; \Bigg \{&spanend;...
l.34 $}
       
として定義される。また、複素数に拡張した場合、$$ \mathrm{sgn} $$$$ \alpha $$$$ = $$
 #spanend &spanadd; \bigg\{&spanend; &spanadd; \begin{array}{ccc}&spanend; &spanadd; \ffd{\alpha}{|\alpha|} & : & \alpha \neq 0&spanend; &spanadd; \\ 0 & : & \alpha = 0 \ffdstrut&spanend; &spanadd; \end{array}&spanend; #spanadd 
/home/limg/www/LimgMath/eq! You can't use `macro parameter character #' in math mode.
 $\displaystyle \mathstrut { ##
                                         spanend &spanadd; \bigg \{&spanend;...
l.34 $}
       
となる。この複素数の定義は実数の定義を含む。
ここで、複素数の定義は$$ \:1 $$の定義と一致しているのが分かる。したがって、複素数に対し、$$ \:1 $$$$ \mathrm{sgn} $$は等価である。
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