一般に使われる10進位取りの整数表記法は、数字を形式的に並べた数字列で、 10を底、各桁を係数とする冪級数に等しい値を表す。 例えば、はと同じ値を表す。
数の直観的な性質を扱う問題として、2つの数字を形式的に並べる操作が扱われる場合がある。 例えば、が個繰返すのような数を扱う分野が挙げられる。
こういった問題では数字列を並べて結合する操作が良く扱われるが、値を冪級数で表現するのは繁雑になる。 例えば、個の"11"を並べて結合した数を表現するには、冪級数では以下のように直観的でない数式になる:
これに対し、凌宮数学では以下の数字列連結演算子を定義し、問題を直観的に記述する。 数字列を結合する場合に備え、算術演算子と似て非なる記号を割り当てる。
数字列と数字列の値
0,1,2,3,4,5,6,7,8,9の10個の数字を並べた表記を、数字列と定義する。 その数字列を10進整数表記と見なしたときに表す整数を、数字列の値と定義する。 算術演算子や比較演算子を数字列に作用させる場合は、数字列の値に作用させると見なす。 整数と区別して、正数列を二重引用符「」で括って明示する。 例: 、。
桁数演算子
数字列の桁数を表す単項演算子。 例: 、。
連結加算演算子
2つの数字列を連結した数字列を与える二項演算子。 例: 。 一般に、。
連結乗算演算子
とある数字列を整数個分だけ繰り返し連結した数字列を与える二項演算子。 例: 一般に、。
例えば、桁のからなる整数は、に分解できる合成数である。
まず、直観的な説明として、 は2つのに区切られるため、と分解できる。 このように、桁数が合成数のとき、とある数の繰り返しに分割できるため、必ずその数で割りきれる。 その結果、桁数が合成数ならば値も合成数になる。
次に、同じことを数字列連結演算子で、一般的かつ定量的に説明する。 任意の合成数は、整数との積で表せる。 桁のをで表せて、以下のように式変形できる:
(、の場合の具体例)
以上より、は、との積で表されるため、合成数である。
最後に、総和表記による一般的かつ定量的な説明を参考に示す。