1変数関数$$ f(x) $$に対し、$$ x $$による微分を$$ \ddd{f}{x} $$と表記し、次のように定義される。

$$ \ddd{f}{x} $$$$ = $$$$ \lim_{\Dl x \to 0} \ddd{f(x + \Dl x) - f(x)}{\Dl x} $$

2変数関数$$ f(x,y) $$に対し、同様に微分したものは偏微分と言って$$ \ppd{f}{x} $$と表記され、次のように定義される。

$$ \ppd{f}{x} $$$$ = $$$$ \lim_{\Dl x \to 0} \ddd{f(x + \Dl x, y, y) - f(x)}{\Dl x} $$

$$ \pr $$を使った偏微分と区別して、$$ d $$を使った微分を特に常微分と言う。しかし、2つの違いを正しく説明できる人は少ない。勿論、「偏微分では$$ y $$を固定している」だけでは矛盾が生じる。

結論を言うと、偏微分と常微分は同じ微分演算であるため、微分としては共通の記号で書くべき。しかし、微分以外の要素も複雑に絡んでいるため、表記を統合するためには、記号の意味から変える必要がある。ただ、記号を書き換えるだけでは衝突が起きる。

以下では、まず同一関数$$ f $$に対し、偏微分$$ \ppd{f}{x} $$と常微分$$ \ddd{f}{x} $$が同時に存在し、異なる値を持つ場合について考える。次ぎに、$$ \ppd{f}{x} $$自体が偏微分の完全表記ではないことについて述べ、偏微分の完全表記とその意味について考える。最後に、偏微分の意味毎の分離表記について考え、偏微分と常微分を統合する。

この話しの目標は、関数$$ f $$があって、どんな関数だろうと$$ x $$で微分する限り$$ \ddd{f}{x} $$と表記することである。

目次

  • 偏微分と常微分の違い
  • 偏微分の意味
  • 偏微分の分離表記
  • 偏微分と常微分の統合表記
  • 微分公式の記述例

以下は予定(関連項目)

  • 偏積分と常積分
  • 物質微分
    数学 一覧 検索 最新 バックアップ リンク元   ヘルプ   最終更新のRSS