現行表記 EditToHeaderToFooter

現在、$$ n $$個の$$ a $$の連続乗算は冪乗として$$ a^n = \underbrace{a \cdot a \cdots a}_{n} $$と定義される。$$ n $$を実数$$ b $$に拡張した二項演算が冪乗となる。
冪乗は非可換な二項演算のため、その逆関数は冪根と対数の2つ存在する。
冪根は冪乗の左側を求める逆演算である。$$ a^b=c $$に対し、$$ \sqrt[b]{c}=a $$と定義される。
対数は冪乗の右側を求める逆演算である。$$ a^b=c $$に対し、$$ \log_a{c}=b $$と定義される。

歴史的経緯から表記法に一貫性が無く、多種多様にばらけている。
加法と乗法から発展した演算にも係わらずに非可換であり、逆演算も合わせて3つの演算が組を成すのも加えて、難解な部類となる。
本質的に複雑なのは仕方ないとして、せめて表記で工夫した方が、相互関係を少しでも理解し易くできる。
以下では、冪乗・冪根・対数、略して冪対表記について考える。

添字表記 EditToHeaderToFooter

冪乗、別名指数の場合は、$$ a^b $$という右上添字表記がほぼ世界共通で使われている。
対し、冪根も根号さえ消せば、容易に左上の添字表記に化ける。
更に、対数も$$ \log $$を消せば、これまた勝手に左下の添え字表記になる。
左側の添え字表記は一般的で無いため、既存の表記と混同する心配は無い。

演算現行表記添字表記
冪乗$$ a^b=c $$$$ a^b=c $$
冪根$$ \rt[b]{c} $$$$ {}^b{c} = a $$
対数$$ \log_a{c} = b $$$$ {}_a{c} = b $$

代わりに、$$ \sqrt{\;\;} $$$$ \log $$を省いた最大の利点として、不要な飾りに惑わされずに済む。
その上で、添え字表記に揃えることで、幾つかの性質が形式的にも簡潔に見える。

逆演算の関係 EditToHeaderToFooter

一般に、冪乗$$ a^b=c $$を基準に、冪根$$ \rt[b]{c}=a $$と対数$$ \log_a{c}=b $$はその左側と右側を求める逆算と言う。
3量の相互関係であるため、冪根と対数もまた互いに逆演算と言える。
逆演算の場合は、重ねると演算が打ち消して元に戻る性質を持つ。

正演算&逆演算現行表記添字表記
冪乗→冪根$$ \rt[b]{a^b}=a $$$$ {}^b(a^b) = a $$$$ {}^{b\!}a^b = a $$
冪根→冪乗$$ {\rt[b]a}^b=a $$$$ ({}^ba)^b = a $$
冪乗→対数$$ \log_a a^b = b $$$$ {}_a(a^b) = b $$
対数→冪乗$$ a^{\log_a b} = b $$$$ a^{({}_a b)} = b $$
対数→冪乗$$ \rt[\log_a{c}]{c} = a $$$$ {}^{({}_a{c})}{c} = a $$
冪根→対数$$ \log_{\rt[b]{c}}c = b $$$$ {}_{({}^b{c})}{c} = b $$
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