現在、個のの連続乗算は冪乗としてと定義される。を実数に拡張した二項演算が冪乗となる。 冪乗は非可換な二項演算のため、その逆関数は冪根と対数の2つ存在する。 冪根は冪乗の左側を求める逆演算である。に対し、と定義される。 対数は冪乗の右側を求める逆演算である。に対し、と定義される。
歴史的経緯から表記法に一貫性が無く、多種多様にばらけている。 加法と乗法から発展した演算にも係わらずに非可換であり、逆演算も合わせて3つの演算が組を成すのも加えて、難解な部類となる。 本質的に複雑なのは仕方ないとして、せめて表記で工夫した方が、相互関係を少しでも理解し易くできる。 以下では、冪乗・冪根・対数、略して冪対表記について考える。
冪乗、別名指数の場合は、という右上添字表記がほぼ世界共通で使われている。 対し、冪根も根号さえ消せば、容易に左上の添字表記に化ける。 更に、対数もを消せば、これまた勝手に左下の添え字表記になる。 左側の添え字表記は一般的で無いため、既存の表記と混同する心配は無い。
代わりに、とを省いた最大の利点として、不要な飾りに惑わされずに済む。 その上で、添え字表記に揃えることで、幾つかの性質が形式的にも簡潔に見える。
一般に、冪乗を基準に、冪根と対数はその左側と右側を求める逆算と言う。 3量の相互関係であるため、冪根と対数もまた互いに逆演算と言える。 逆演算の場合は、重ねると演算が打ち消して元に戻る性質を持つ。
まだ使用頻度が高い方である冪乗と冪根の重ねは順番に関係なく元に戻る。 そのため、結合則が成立して左上と右上から対称的に添える書き方をしても紛れることは無い。
冪乗→対数は対数の公式の特殊形で、 形式的にはに着目して、左下に大字冪乗と小字対数を取ると打ち消えると読める。 対数→冪乗は冪乗の逆関数である対数の定義そのものの形で、 形式的にはに着目して、左下に小字対数と大字冪乗を取ると打ち消えると読める。