逆基底の計算式 EditToHeaderToFooter

3次元の場合、垂直条件:$$ \ffd{1}{\:e_x} $$$$ \perp $$$$ \:e_y $$かつ$$ \ffd{1}{\:e_x} $$$$ \perp $$$$ \:e_z $$であるため、$$ \ffd{1}{\:e_x} $$$$ /\!/ $$$$ \:e_y $$$$ \vx $$$$ \:e_z $$という関係が成り立つ。
このため、任意の比例定数$$ k $$を使って、$$ \ffd{1}{\:e_x} $$$$ = $$$$ k $$$$ \:e_y $$$$ \vx $$$$ \:e_z $$と書ける*1

正規条件:$$ \:e_x $$$$ \sx $$$$ \ffd{1}{\:e_x} $$$$ = $$$$ 1 $$より、$$ 1 $$$$ = $$$$ \:e_x $$$$ \sx $$$$ \ffd{1}{\:e_x} $$$$ = $$$$ k $$$$ \:e_x \sx (\:e_y \vx \:e_z ) $$
$$ \:e_x \sx (\:e_y \vx \:e_z ) $$はスカラであるため、$$ k $$$$ = $$$$ \ffd{1}{\:e_x \sx (\:e_y \vx \:e_z )} $$

よって、$$ \ffd{1}{\:e_x} $$$$ = $$$$ k $$$$ \:e_y $$$$ \vx $$$$ \:e_z $$$$ = $$$$ \ffd{\phantom{\:e_x \sx (}\:e_y \vx \:e_z\phantom{)}}{\:e_x \sx (\:e_y \vx \:e_z )} $$
したがって、逆基底表記$$ \ffd{1}{\:e_x} $$は、$$ \ffd{\phantom{\:e_x \sx (}\:e_y \vx \:e_z\phantom{)}}{\:e_x \sx (\:e_y \vx \:e_z )} $$$$ \ffd{\phantom{\sx (}\:e_y \vx \:e_z\phantom{)}}{\sx (\:e_y \vx \:e_z )} $$を記号的に省いたものと捕らえて良い。

ただし、具体的に何が省かれるかは次元によって異なる。
1次元では何も省かれずにスカラ除算として成立する。2次元では例えば$$ \ffd{\phantom{\vx}\:e_y}{\vx \:e_y} $$が省かれる*2*3
4次元以上では、書くだけでも4次元のベクトル積*4を表せる外積代数*5の知識が必要だが、イメージするだけなら直観的に残りの基底を掛け合わせた分母と分子を省く感覚で良い。

*1 計算自体は、参考:[物理のかぎしっぽ / ベクトル解析 / 双対基底] が丁寧で分かりやすい。
*2 ただし、ここの$$ \vx $$は高校でも大学でも教えて貰えない2次元の外積である。
*3 2次元の外積については、[高専における数学教育の見直し 数学談話会 / 第5回 / 詫間電波工業高等専門学校 / 2次元ベクトルの外積の効用(線形代数学の教科内容の改善に向けて)] がお勧め。
*4 参考:[物理のかぎしっぽ / 微分形式 / 四次元の微分形式]
*5 具体的にホッジ作用素が基底の除算に該当する。参照:[物理のかぎしっぽ / 微分形式 / ホッジ作用素]
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