1階線形常微分方程式 のバックアップの現在との差分(No.1) |
、1階線形常微分方程式は上記の形をしている。 ここで、とはの関数とである。 の係数はの関数でも良く、の定数*1でも良い*2。 解の公式は積分式で与えられる: 1階線形常微分方程式はの形をした微分方程式である。 ここで、とはの関数とで、係数はを含んでも良く、含まなくても良い*3。 左辺が1階常微分と(0階常微分)の線形結合であるため、1階線形常微分方程式と呼ばれる。 解の公式は次の積分式で与えられる: 暗記さえできれば、定数係数で1階の線形な常微分方程式に関しては、必ず解けることになる。 しかし問題は、丸暗記では既習や未習の知識と繋がりを持たず、全体を効率良く学べない。 特に、直後に学ぶ定数係数2階線形常微分方程式は、1階を応用すれば難しい暗記が不要になる。 しかし問題は、丸暗記では前後に習得する知識と繋がらず、全体を効率良く学べない。 特に、直後に学ぶ定数係数2階線形常微分方程式は、1階を応用で簡単に解けてしまう。 これらに対し、凌宮数学では、2階ないし階の定数係数常微分方程式に繋がるような、 学習済み知識に基づいた定数係数1階線形常微分方程式のもう少し考え易い解き方を与える。 これらに対し、凌宮数学では、2階ないし階の線形常微分方程式に繋がるような、 学習済み知識に基づいた1階線形常微分方程式のもう少し考え易い解き方を与える。 *1
は凌宮数学の定数表記であり、を表す。
*2 がに対して定数の場合は、定数係数1階線形常微分方程式と呼ばれる。 *3 がに対して定数の場合は、定数係数1階線形常微分方程式と呼ばれる。 *4 と積分定数を明示する書き方もあるが、煩雑のため凌宮数学では使わない。 *5 と積分定数を明示する流儀もあるが、煩雑になるため凌宮数学では書かない。 考え方積分で解く一般に、ある関数の常微分が分かれば、不定積分で解ける。 一般に、ある関数の常微分が分かれば、不定積分で解けることが分かっている *6。
の場合は、左辺をに纏めらると、積分で解ける。 そのため、まずはの「」を消したい。 1つの微分に纏めるの特徴は、「」、「」、「」である。 3つの特徴が出揃う公式を高校から学んだ微分公式から順に当たれば、積の微分に辿り着く: 「」を消すには、等号の片方に「」が1つ、他方に「」が無い公式が必要である。 高校範囲で探す限り、等号の左右で「」の数が異なるのは積の微分しかない *8: しかし、をと比較しても、 が嵌るものの、 とを同時に満せない。 このため、を弄る必要がある。 が嵌るものの、 とを同時に満たすは存在しない *10。 このため、に嵌るように、を調節する必要がある。 積分因子を掛ける上記の試算は、の縛りが厳しすぎるため、となってしまい、を満たす余地を無くしている。 その縛りを無くすには、例えばをそのままの両辺に掛ければ叶える: 上記の試算はの縛りが厳しすぎるため、となり、を満せなくなっている。 そのため、例えばと自由にすれば、をの方の条件に合わせば解ける。 の係数をにするには、単純に全ての項にを掛ければ良い: 一般に、積分するために掛ける関数を積分因子と呼ぶ。 積分因子を掛けることにより複雑な微分を単純な微分に変換できるため、微分方程式では良く利く手法である。 一般に、積分するために掛ける関数を積分因子、積分因子を掛ける手法を積分因子法と呼ぶ。 積分因子法は、微分関係を比較的自由に調節できるため、微分方程式に良く利く。 をと比較すると、なるを探せば良いことが分かる。
今、はを満たせば良いので、以降では簡単そうなを選ぶ。 今、はを満たせば良いので、以降では簡単そうなを積分因子に選ぶ。 定数係数の場合はになり、積分因子はとなる。 略解例以上で解く筋道が通る:
この筋道を逆から書けば「解答」となる:
線形微分演算子 【編集中】原方程式は、と括れば、 以下のように1階線形常微分演算子を定義すると、演算と演算対象に明示的に分離できる。
上記の解き方では、とでは単純な微分・積分の関係にならないため、 一旦とに変換してから、単純な微分を単純な積分に直している。 そういう意味で、解答例の最初と最後だけに着目すると、とに関する一対の複雑な微分と積分にも見える:
まとめ・つなぎ |