1階線形常微分方程式 のバックアップの現在との差分(No.3) |
1階線形常微分方程式はの形をした微分方程式である。 解の公式は次の積分式で与えられる:
暗記さえできれば、定数係数で1階の線形な常微分方程式に関しては、必ず解けることになる。 これらに対し、凌宮数学では、2階ないし階の線形常微分方程式に繋がるような、 考え方積分で解く一般に、ある関数の常微分が分かれば、不定積分で解けることが分かっている*3。
の場合は、左辺をに纏めらると、積分で解ける。 そのため、まずはの「」を無したい。 そのため、まずはの「」を消したい。 1つの微分に纏める高校で習う微分公式から探せばすぐ分かるが、左辺と右辺で「」の数が異なる公式は積の微分しかない *5: 「」を消すには、等号の片方に「」が1つ、他方に「」が無い公式が必要である。 高校範囲で探す限り、等号の左右で「」の数が異なるのは積の微分しかない *6: しかし、をと比較しても、 が嵌るものの、 とを同時には存在しない。 このため、に嵌るように、を変形する必要がある。 が嵌るものの、 とを同時に満たすは存在しない *8。 このため、に嵌るように、を調節する必要がある。 積分因子を掛ける上記の試算はの縛りが厳しすぎるため、となってしまい、を満せなくなっている。 そのため、のままにできれば、あとはを含んだ何らかの式にを合わせば良い、と考えられる。 上記の試算はの縛りが厳しすぎるため、となり、を満せなくなっている。 そのため、例えばと自由にすれば、をの方の条件に合わせば解ける。 の係数をにするには、全ての項にを掛ければ良い: の係数をにするには、単純に全ての項にを掛ければ良い: 一般に、積分するために掛ける関数を積分因子と呼ぶ。 積分因子を掛けることにより複雑な微分を単純な微分に変換できるため、微分方程式では良く利く手法である。 一般に、積分するために掛ける関数を積分因子、積分因子を掛ける手法を積分因子法と呼ぶ。 積分因子法は、微分関係を比較的自由に調節できるため、微分方程式に良く利く。 をと比較すると、なるを探せば良いことが分かる。
今、はを満たせば良いので、以降では簡単そうなを選ぶ。 今、はを満たせば良いので、以降では簡単そうなを積分因子に選ぶ。 定数係数の場合はになり、積分因子はとなる。 略解例以上で解く筋道が通る:
この筋道を逆から書けば「解答」となる:
線形微分演算子 【編集中】原方程式は、と括れば、 以下のように1階線形常微分演算子を定義すると、演算と演算対象に明示的に分離できる。
上記の解き方では、とでは単純な微分・積分の関係にならないため、 一旦とに変換してから、単純な微分を単純な積分に直している。 そういう意味で、解答例の最初と最後だけに着目すると、とに関する一対の複雑な微分と積分にも見える:
まとめ・つなぎ |