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論理の組み立て方に結構問題あり!
小学校では、算数を1から教え、自然数、ゼロの順に続く。
しかし、大学ではベクトルを1から教えられることもなければ、自然数もない。
いきなり、2次元の実数から苦戦する羽目になる。
凌宮数学のベクトルは1次元の自然数から始まる。
それは誰もが小学校で学んでいるものだ。
やさしく始めよう。
1次元自然数
※「」はリンゴである。
「図1のリンゴを数えて」と言われて「1、2、3、4」と数えば、それは自然数を数えていることになる。
「1、2、3、4」は自然数と呼ばれる数字だからそうなる。
つまり、敢えて言うなら、数えているのは「(リンゴの)数」だった。
1次元自然数ベクトル
同じく、「図1のリンゴを数えて」と言われて「1個、2個、3個、4個」とも数えられる。
この場合、数えているのは「(リンゴの)個数」になる。
ここで登場する「1個、2個、3個、4個」は、もはや自然数でもなければ数字でもない。
「個」は単位の一種、「1個」というのは量になる。
同じく、「図1のリンゴを数えて」と言われて「1列」で終わらせることもできる。
数え方を変えただけである。
この場合、数えているのは「(リンゴの)列数」になる。
このように、リンゴには「個」や「列」など色んな数え方があり、数え方を表すのが単位である。
重要なのは、「4個」も「1列」も図1の状態を表せるが、「4」と「1」だけでは言葉足らずになる。
言い換えると、図1を表すには、数では役不足であり、数と単位を組み合わせた「量」を使う必要がある。
凌宮数学では、量の線形性を重視し、これをベクトルの一種として扱う。
そして、これまでに登場した1つの自然数と1つの単位からなる量を「1次元自然数ベクトル」と呼ぶ。
量の場合、ベクトルの用語を使うと、次のような読み替えができる:
表1:量とベクトルの対応関係 |
---|
ベクトル用語 | 量用語 | 例1 | 例2 |
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ベクトル | 量 | 4個 | 1列 |
基底 | 単位 | 個 | 列 |
成分 | 数 | 4 | 1 |
高が1次元の自然数ベクトルでも立派なベクトル。
ベクトルである以上、ベクトルを持つ性質は全て満たしている。
このため、このやさしいベクトルだけも大抵は説明できる。
ベクトル加法(足し算)
「リンゴは図2と図3が合わせて何個?」を知りたい場合、
まず図2から数えて、「1個、2個」、続けて図3から「3個、4個、5個」と答え「5個」を得る。
次に図2だけを数えて「1個、2個」と「2個」、図3だけを数えて「1個、2個、3個」と「3個」を得る。
これらを合わせて「2個と3個を合わせて5個」と習う。
これを普通の数式で書くと数だけになる:
これは自然数の加法。
数だけでは言葉足らずということを考えると、次の数式に辿りつく:
これが1次元自然数ベクトルの加法である。
倍積(スカラー倍、テンソル積)
図4について、リンゴの個数を数えば、「1個、2個、3個、4個、5個、6個」と「6個」になる。
次に、それぞれの皿にあるリンゴの個数を数えると、次のようになる。
1枚目の皿について、「1個、2個」で「2個」になる。
2枚目の皿について、「1個、2個」で「2個」になる。
3枚目の皿について、「1個、2個」で「2個」になる。 |
先ほどの加法を使えば、次のようにリンゴの個数が求まる。
ここで重要なのは「すべての皿について、それぞれの皿にあるリンゴの個数は同じ」である。
このような状態のことを、「1枚の皿あたり2個のリンゴがある」と言う。
凌宮数学では「2個/1枚」と書く。「/」は「あたり」を表す。
さらに、これを「2個/枚」に略す。
今度は皿の枚数を数えると「1枚、2枚、3枚」と「3枚」が得られる。
そこで、「6個」と「2個/枚」と「3枚」の関係を次のように書く。
基底変換
図4の関係についての、もう一つの考え方:
「1枚の皿あたり2個のリンゴがある」を「1枚=2個」とも書き、「枚=2個」と略す。
発想としは、「1枚(の皿)」も「2個(のリンゴ)」も「1枚の皿あたり2個のリンゴがある」の状態を表すと考える。
一方で、皿の枚数を数えると「3枚」となるので、次のような計算が成り立つ:
このように、基底変換でも計算として掛算が登場するが、倍積とは発想が全く異なる。
同じ関係は大学まで続き、例えば置換積分と部分積分など大学生でも混乱するパターンなどに繋がる。