オイラーの連鎖式 のバックアップ(No.17) |
凌宮読取術:任意の2変数関数について、オイラーの連鎖式と呼ばれる恒等式が成立する*1。
問題は、などを約分してにしたどころで、そんな期待を裏切るである。 しかし、それだけで「偏微分は約分できない」と諦めるのは、まだ早計である。 凌宮数学では、オイラーの連鎖式は以下のように読み替える: ここで、は全て係数であり、約分も符号も小学校同様に扱って良い。 微分係数としての微分微分の捉え方の一つに、微分係数という考え方がある。
やを計算するのに、の1次近似式から移項で作った式を利用した。 重要なのは以下の4点:
このため、両方とも独立変数の微分を見抜けば、「」を正しく扱えられる。 陽微分と陰微分以上の結果を受けて、凌宮数学では以下のように陽微分と陰微分を定義する。
そうすると、関数を一次近似した式の係数で微分の値を表すとき、 例えば、陽関数の例では、やが陽微分になる。 2変数関数は一般的にで一次近似できる。 陽関数の文脈では、の一次近似がになり、 一方で、陰微分はを変形して求める必要がある。 重要なので、強調しながら纏めると、 陰関数のオイラーの連鎖式オイラーの連鎖式自体は陽関数でも陰関数でも成り立つ。 オイラーの連鎖式は3つの変数に関する公式であるため、陰関数で考える場合は3変数関数で考える必要がある:
この時点で、オイラーの連鎖式に登場する3つの微分が全て陰微分で、掛け合わせると 具体的にオイラーの連鎖式を1次近似の係数で読み替えると以下のようになる。 まず、式1を1次近似すると: 次に、真面目に計算しても良いが、以下のように対応する係数を逆さに書いて、「」を付ければ完成: このように作るオイラーの連鎖式に現われる3つの微分を表に纏めると:
したがって、陰関数のオイラーの連鎖式は以下のように読み替えできる: 陽関数のオイラーの連鎖式(参考)陰関数で考えた方が例外が少なくて楽だが、 オイラーの連鎖式は3つの変数についての公式であるが、陽関数で考える場合は1つを従属変数にするため、2変数関数で済む:
この時点で、オイラーの連鎖式に登場する3つの微分の内、を含む2つが陽微分で、残り1つが陰微分であるのが分かる。 具体的にオイラーの連鎖式を1次近似の係数で読み替えると以下のようになる。 まず、式3を1次近似すると: 次は計算になるが、陽関数のため3パターンに増える:
以上の結果を表に纏めると:
したがって、陽関数のオイラーの連鎖式は以下のように読み替えできる: |