オイラーの連鎖式 のバックアップの現在との差分(No.26) |
凌宮読取術: ⇒凌宮読解術: ⇒任意の2変数関数について、オイラーの連鎖式と呼ばれる恒等式が成立する*1。
問題は、などを形式的に約分してと書きたいどころ、期待を裏切るである。 しかし、それだけで「偏微分は約分できない」と諦めるのは、まだ勿体ない。 が約分できる結果だけ見て、をそのまま消すから上手く行かない。 が約分できる原因を考えば、を約分も負号も問題なく処理できる。 が約分できる結果だけ見てをそのまま消すから、計算が上手く行かない。 が約分できる仕組みを見てを正しく読み替えると、約分も負号も直観的に考えられる。 凌宮数学では、オイラーの連鎖式は以下のように読み替えて約分する: 凌宮数学では、オイラーの連鎖式は以下のように読み替えてから約分する: 陰微分と陽微分陰微分と陽微分微分には「関数を1次近似した近似式の係数」すなわち微分係数という解釈がある。 変数との前に付くとが各変数に対する微分係数で、それぞれがに対するとの微分となる。 変数との係数とが微分係数で、それぞれがの偏微分、となる。 一方で、からやにつて解いた一次式からも微分係数が得られる。
ここで重要なのは、「」は移項で発生するという因果関係である。 さらに、その移項は独立変数について解くためで、移項で「」つくのは別の独立変数となる。 ここで重要なのは、移項で「」が発生することである。 その移項は独立変数について解くためで、移項で「」付くのは別の独立変数の項に限る。 このため、分母・分子とも独立変数の微分を見抜けば、「」を正しく書ける。 そこで、凌宮数学では以下のように陽微分と陰微分を定義する。
そうすると、関数の一次近似式の係数で微分の値を表すとき、微分の陰陽で「」の有無を判定できる。 すると、関数の1次近似式の係数で微分の値を表すとき、微分の陰陽で「」の有無を判定できる。
参考:への適応高校で習うは、陽関数をと陰関数の2通りの考え方がある。 高校で習うは、陽関数と陰関数の2通りの考え方がある。 陽関数で考える場合、もも陽微分となり、「」が現れず、そのまま約分可能となる。 陽関数で考える場合、もも陽微分となり、陽陽で「」が現れず、そのまま約分可能となる。
陰関数で考える場合、もも陰微分となり、「」は2つ現れるが、打ち消し合って消える。 陰関数で考える場合、もも陰微分となり、陰陰で「」は2つ現れては打ち消される。
どちらの結果もと自体を約分しているように見えるため、符号を気にしなくても計算はできた。 どちらの結果もと自体を約分しているように見えるため、符号を気にしなくとも計算できる。 本題:への適応大学で習うは、陽関数、、の3通りと、 陰関数を合わせて計4通りで考えられる。 陰関数を合わせて計4通りの考え方がある。 陽関数で考える場合、 が陰微分、とが陽微分となり、係数を約分しても「」が残る。 が陰微分、とが陽微分となり、係数を約分しても陰陽陽で「」が残る。
陽関数やで考えても、陰になる微分が変わるだけで、1陰2陽の関係は変わらない。
陰関数の陰微分とオイラーの連鎖式これまで、に対し、 や、と好きな関数を置いて陰微分と陽微分を考えてきた。 自体は関数に依らないため、結果が関数に依らないのは当然である。 3つの変数、、の関係を記述する関数に、次の陰関数というのもある*5。
もっとも、には従属変数と独立変数の区別も無く、対称的である。 このため、従属変数と独立変数を区別せず皆平等に扱う陰関数で考えた方が簡潔だったりする: 陰関数で考える場合、陰陰陰と全て陰微分になるだけで、答えは変わらない。
形式上、陰関数では全ての変数が独立変数と見なせるため、陰関数の微分は全て陰微分になる。 陰関数では全ての変数が独立変数であるため、陰関数の微分は全て陰微分になる。 したがって、陰関数で考え、全ての微分を一律「」付きの陰微分として扱うのが楽である。
まとめ・つなぎ以上より、オイラーの連鎖式で登場する微分は、高校で習うと性質が異なる。 それも常微分と偏微分の違いではなく、被微分変数と微分変数の関係が原因である。 微分の基本である微分係数に立ち戻れば、ちゃんと小学校レベルの約分になる。 オイラーの連鎖式の符号は、「偏微分が約分できない」の代名詞のように使われることがある。 しかし、それは常微分と偏微分の違いではなく、被微分変数と微分変数の関係の違いである。 微分の基本である微分係数に立ち戻って工夫をすれば、ちゃんと小学校レベルの約分になる。 「微分は分数ではないので約分できない」ではなく、「偏微分だから約分できない」でもなく、 「微分から近似式の係数には簡単に変換でき、係数であれば約分できる」と教えて欲しい。 「微分から近似式の係数に簡単に変換でき、係数であれば簡単に約分できる」と教えて欲しい。 |