オイラーの連鎖式 のバックアップ(No.3) |
猫式読取術:任意の2変数関数について、オイラーの連鎖式と呼ばれる対称性の良い恒等式が成立する*1
問題は、もし右辺がならば、恐らく誰もが「分子のと分母のが打ち消して…」と簡単に納得できるところ、残念ながらである。 特に覚えにくくも無いが、直感的イメージできる方が楽である。 (1) 微分は1次近似任意の1変数関数について、各点において直線で近似しようとするとき、係数となる。これが微分値が微分係数と呼ばれる故でもある。 同様に、任意の2変数関数について、直線の代わりに平面で近似できる。この場合、、となる。 問題は、と変形できるため、になる。とを代入すると、になる。 したがって、にとを掛け合わせると、大きさが打ち消してとなり、が残る。 (2) 陰関数で対称性について、と変形でき、左辺を纏めてとおける。この関係では、を陽関数、を陰関数と呼ばれる。式の見た目では、陽関数は1つの変数だけを特別扱いするのに対し、陰関数では全ての変数について対照的な表記になっている。 陰関数で考える場合、1変数関数の場合はで近似することになる。その結果、、となり、になる。 同様に、2変数関数の場合はで近似することになる。 その結果、、、となり、 、、になる。 したがって、3つの偏微分を掛け合わせると、大きさが打ち消してとなり、が残る。 まとめ:傾きの符号(1) は陽関数、(2)は陰関数で考えてきた。いずれも、微分の原点である1次近似という発想で手抜きしているが、最終的に関数に寄らずに恒等であるため結果は正しい。 ポイントは、(1)と(2)における「」の現れるタイミングである。 陽関数のも、陰関数のも、ある意味では同じ形をしている。そこで、やのように関数値を含む微分を陽的傾きと、やのように独立変数間の微分を陰的傾きと理解できる。 そして、陽的傾きは形式的にプラスの式になる。これが一般的な傾きの感覚である。 対して、陰的傾きは形式的にマイナスの式になる。この感覚があれば、オイラーの連鎖式は直感的に理解できるようになる。 纏めて、の意味は、
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