オイラーの連鎖式 のバックアップ(No.6) |
猫式読取術:任意の2変数関数について、オイラーの連鎖式と呼ばれる対称性の良い恒等式が成立する*1
問題は、もし右辺がならば、恐らく誰もが「分子のと分母のが打ち消して…」と簡単に納得できるところ、残念ながらである。 特に覚えにくいワケではないが、導出には結構手間が掛かる*2*3。というわけで、直感的イメージできる方が式変形が楽である。 *1
熱力学や化学の分野では圧力、体積、温度を結ぶマクスウェルの規則の形で学ぶことになる。
*2 参考:熱学の基礎/微分公式/偏微分 or amazon.co.jp *3 参考:EMANの物理学/熱力学/状態方程式の微分形 (1) 微分は1次近似任意の1変数関数について、各点において直線で近似しようとするとき、係数となる。この微分係数というのが微分の根源である。 同様に、任意の2変数関数について、直線の代わりに平面で近似できる。この場合、、となる。 ここで、近似平面はに変形できるため、が得られる。とを代入すると、になる。 したがって、にとを掛け合わせると、大きさが打ち消してとなり、が残る。 (2) 陰関数で対称性について、と変形でき、左辺を纏めてとおける。この関係では、を陽関数、を陰関数と呼ばれる。式の見た目では、陽関数は1つの変数を特別扱いするのに対し、陰関数では全ての変数について対称的な表記になっている。 陰関数で考える場合、1変数関数に対する陰関数はで近似することになる。その結果、、となり、になる。 同様に、2変数関数に対する陰関数の場合はで近似することになる。 その結果、、、となり、 、、になる。 したがって、3つの偏微分を掛け合わせると、大きさが打ち消してとなり、が残る。 まとめ:傾きの符号(1) は陽関数、(2)は陰関数で考えてきた。 ポイントは、(1)と(2)における「」の現れるタイミングである。 陽関数のも、陰関数のも、ある意味では同じ形をしている。ここでの陰陽とは関数値を変数として扱うかどうかの違いである。そこで、やのように関数値を含む微分を「陽的な傾き」と、やのように独立変数間の微分を「陰的な傾き」と、直感的に捕らえられる。 そうすると、まず、陽的傾きは形式的にプラスの式になる。これが一般的な傾きの感覚に一致する。 次に、陰的な傾きは形式的にマイナスの式になる。この感覚があれば、オイラーの連鎖式は直感的に理解できるようになる。 纏めて、の意味は、
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