ベクトル三重積公式の左辺には2つの書き方があり、掛け方によって符号が逆転する。
$$ \iro[ao]{\:A} \vx (\iro[md]{\:B} \vx \iro[md]{\:C}) $$
$$ \;\Rightarrow\; $ \textcircled{\phantom{X}} $ \fbox{\phantom{X}} $ \iro[md]{\:B} $ \textcircled{\phantom{X}} $ \fbox{\phantom{X}} $ \iro[md]{\:C} $$
$$ \;\Rightarrow\; $ + $ (\:A \sx \:C) $ \iro[md]{\:B} $ - $ (\:A \sx \:B) $ \iro[md]{\:C} $$
$$ (\iro[md]{\:A} \vx \iro[md]{\:B}) \vx \iro[ao]{\:C} $$
$$ \;\Rightarrow\; $ \textcircled{\phantom{X}} $ \fbox{\phantom{X}} $ \iro[md]{\:A} $ \textcircled{\phantom{X}} $ \fbox{\phantom{X}} $ \iro[md]{\:B} $$
$$ \;\Rightarrow\; $ - $ (\:C \sx \:B) $ \iro[md]{\:A} $ + $ (\:C \sx \:A) $ \iro[md]{\:B} $$
この符号は外積の回転方向を2回も考える必要がある。 3次元空間でぐるぐる回るのは結構面倒なので、便宜的な手法ではあるが2次元で済ませたい。 さらに、三重積は任意のベクトルで成立するため、次の2つの条件を満たす単純な例で済ませたい。
((やっていることは$$ \:B \:C $$平面上のベクトルの成分分解であるため、斜交座標より直交座標系を使う方が直角が多くて簡単。))
(($$ \:A $$は空間上に浮いても、$$ \:B \:C $$平面上の成分しか外積の結果に影響を与えないため、$$ \:B \:C $$平面上に乗せても結果は同じ。)) ((重ねることにより考える成分が1つ減るため、楽が出来る。片方の符号が決まれば他方も決まるため、1成分の符号だけ分れば十分。))
論はないが証拠、これで(片方の)符号が分る:
について、まずにを右から掛けて、を左から掛ける。 ポイントは掛ける向きが逆であるため、向きが打ち消して元のの向きになる。 したがって、の符号は「」になり、残るには逆の「」が付く。
について、まずにを右から掛けて、をさらに右から掛ける。 ポイントは掛ける向きが同じであるため、そのまま回し続けてと逆の向きになる。 したがって、の符号は「」になり、残るには逆の「」が付く。