ベクトル三重積公式 のバックアップ(No.6) |
ベクトル三重積の公式は、ベクトル公式の中で非常に覚えにくい公式である。ここでは、外積の性質と、「公式は単純である」というイイ加減な発想に基づく覚え方を紹介する。 猫式組立法最初に、唯一の理論として、、、が同一平面上にあるというベクトル三重積の性質を利用する。これは、外積の垂直条件から簡単に導ける。
まず、はとの両方と垂直である。言い換えれば、はとを含む面と垂直で、その法線ベクトルである。 同様に、はとの両方と垂直である。このうち、と垂直であるため、面の法線ベクトルと垂直なベクトルということで、その面に平行する(=含まれる)ことになる。 よって、は、とと同一平面上にある。 (1) 一次結合この性質のため、を、の一次結合で書ける: これに対し、にはスカラの係数を、にはかのどちらかを入れる。また、この時点で、式の両辺において、とが同順であることに注意。 (2) 猫式奥義: 公式は単純にできるものまずは、右辺の第1項に注目する。左辺にある材料は、、。この項ではが既に使われているため、残っているとでスカラの係数を簡単に作ることを考えれば良い。 2つのベクトルからスカラを作る方法で最も簡単な演算と言えば ── 内積。というわけで、答えがが入る。同様に、では、が入る。 よって、 (3) 交代則 or 「積−積」の形のため、右辺もとを入れ替えたらマイナスにならねばならない。でとを入れ替えたらになるため、には「」を入れねばならなくなる。 もしくは、外積がで計算されるように、「積−積」の形が基本と言える。そのセンスでに「」を入れても良い。 よって、 図解:次元落とし上記とは別に、3次元問題を等価変換で2次元問題に落として簡単化する方法もある。
ここで利用するのは、外積の同値条件である。外積の幾何的意味は、2つのベクトルの張る平方四辺形の面積であるため、片方を固定しても、面積さえ変わらなければ、他方を自由に動かせる。例えば上の図の場合、が成り立つ。 また、は特別に、と垂直なベクトルを選んでいるが、このようなベクトルはタダ一つに決まる。そして、はと垂直なため、やと同一の平面に属する。 同様に、において、を固定すれば、に垂直なをタダ一つ決まる。ここでも、がやと同一の平面に属する。 よって、では、全てのベクトルが同一平面上にあり、右図の2次元の問題となる。 |