一般に、がの関数であることをと表記する。 ところが、変数を関数に代入した値をと書くため、 関数表記と代入表記が表記だけでは区別できない。
これに対し、凌宮数学ではがの関数であることをと表記する。 関数に変数を代入した結果であるをと表示する。
一般的に関数表記に使われる変数を従属変数と呼ぶが、凌宮数学では束縛変数と呼ぶ。 また、「」を束縛子、「」を代入子と呼ぶ。 これらの演算子で関数表記と代入表記を厳密に区別する。 束縛子と代入子を使った関数表記体系を束縛表記と言う。
以下、具体例により、関数の性質と束縛表記による書き分けを確認する。
具体的な関数に対しても関数記号と同様に束縛子で束縛変数を明記する。 固有名のある関数は関数記号に束縛子がそのまま続ける。 例えば、正弦関数はになる。 いわゆる、は、となる。
は、として、 関数同士の等価関係になる。
固有名の無い関数は、定義式に束縛子を続ける。 例えば、の束縛表記はとなる。
一般に、関数は入力と出力の関係であり、束縛変数の表記違いは関数の違いではない。 例えば、とは同じ数値を代入すると同じ値になるため、同じ関数と見なされる。 すなわち、。
一般に、任意の関数について、束縛変数を任意に文字に差し替えできる。
束縛されない変数を自由変数と呼び、束縛変数と区別する。 束縛変数を含まないし式を単に変数式と呼び、関数と区別する。 例えば、変数式は関数とは区別する
変数式の自由変数は、関数の束縛変数とは異なって差し替えが効かない。 変数であれば、一般的にである。
一般に、多項式は変数式であり、関数ではない。 多項式では、不定元の勝手な書き換えは許されない。
束縛変数の解放と逆に、自由変数に束縛を付けると、対応する関数が得られる。
関数の束縛変数に自由変数を代入すると、束縛変数を自由変数で置換した変数式が得られる。
特に同名の自由変数で書き換えた場合、形式的に束縛を解いた変数式が得られる。
関数の束縛変数に自由変数を代入する演算を変数に着目して束縛変数の解放と言う。 束縛変数の解放により、関数式を変数式に変換できる。
定数関数は代入した値に関係なく、定数を取る関数である。 例えば、は定数関数であり、代入した値に関係なく関数値が常にである。 具体的に、、、……
束縛表記では、定数に対し、定数関数はと表記できるが、 この束縛は形式的なもので、実際に束縛される対象となるが式に含まれて無い。 このため、定数関数に限り、束縛の有無は区別しない。。
例えば、
*1
とできる。
関数に定数を代入した結果であるをと表記する。
例示2、一般的にf(x)=2x と書く場合、f:R:x=(2x):R:x=2x:R:x と厳密に表記できる。f:x=2x:x と略すが、f:p=2p:p と書いてもf:x=2p:p と書いても同じである。
2x だけなら x を不定元とする多項式に見えるが、2x:x で x を変数とする関数と書き分けできると理解して良い。
厳密表記では、定数関数と定数を区別する。
例示3値が2の定数: 2値が2の定数関数: 2:x=2:p