逆基底 のバックアップ(No.13) |
凌宮表記術:基底の逆基底:軸と軸が直交しない座標系では、双対基底(dual basis)なるものが登場する。 習慣的には次のように、双対基底の片方を右下添字で表記し、もう片方を右上添字で表記する。
さらに問題なのは、両方の基底は添字の位置で関連づけるられているため、基底の書き方が限られることである。 これに対し、凌宮数学では以下のように双対基底を表記する。
逆数表記を用いたのは、逆基底が逆数と同じ発想であるため。 双対基底の定義式3次元の場合、双対基底の定義を通常表記で書くと、こうなる: これを凌宮表記で書くと: このうち、など内積がになる正規条件は、小学校で習う逆数と全く同じである。 一方で、残る内積がになる直交条件も、スカラの逆数を拡張するための追加条件と思えば、逆数表記に含まれる。 逆基底の逆基底任意の数の逆数の逆数は、以下のように一種の分数計算として元の数に戻る。 同様に、任意の基底の逆基底の逆基底も正基底に戻る。 このように、「逆数」と「逆数を求める演算」を兼ねる逆数表記と同様、 対して、通常表記では正基底と逆基底の記号を定めているだけで、正基底から逆基底を求める演算の記号ではない。 ベクトルの成分双対基底で考える場合、習慣的には以下のように成分と基底の添字を上下逆の付き方で書く*1。 双対基底で成分分解する場合は、ベクトルと逆基底の内積で成分を割り出せる*2。 よって、成分と成分も同様に求まり、これらをに代入すると次のようになる: ベクトルと逆基底の内積を分数表記に纏めると、分かりやすい式になる。 1次元では、スカラ除算としてになるため、ベクトルになって成分が増える感覚のままで良い。 微分のベクトル扱い微分形式では、微分、、自体をベクトルとして扱う。 最後に、成分分解を書くと、記号的に自ずと全微分の公式が得られる*5。 *3
微分形式では全微分であればベクトルと見なす。
*4 一般的には、この微分は偏微分としてと基底とは異なる記号で表記されるが、逆基底を基底として扱えば微分記号で区別する必要が無くなる。 *5 偏微分もで書くことになるが、それは偏微分と常微分を区別する必要がないためである。詳しい説明は別項目で書く予定。 まとめ・つなぎ大学で習う双対基底も、逆基底を分数表記で書けば、小学校から培った割り算の感覚を利用できる。 |