逆基底 のバックアップ(No.7) |
基底 の逆軸と軸が直交しない座標系では、双対基底(dual basis)なるものが登場する。 習慣的には次のように、双対基底の片方を右下添字で表記し、もう片方を右上添字で表記する。
さらに問題なのは、両方の基底を添字の位置で関連づける規則である。 これに対し、凌宮数学では以下のように双対基底の表記を定義する。
分数表記を用いたのは、双対基底の定義のうちを満たすため。 指数表記は、単にスカラの逆数が乗に書けるのに合わせているだけ。 双対基底の定義式3次元の場合、双対基底の定義を通常表記で書くと、こうなる: これを凌宮表記で書くと: このうち、など内積がの定義式は、表記の定義に利用しているために小学校レベルになる。 残り、内積がの定義式も、一義に定まらないベクトル除算を一つに絞るための必須条件として解釈すれば、表記に含まれることになる。 逆基底の計算式3次元の場合、垂直条件:かつであるため、という関係が成り立つ。 正規条件:より、。 よって、。 ただし、具体的に何が省かれるかは次元によって異なる。 はベクトルの成分である。双対基底で考える場合、習慣的には以下のように成分と基底の添字を上下逆の付き方で書く*2。 双対基底で成分分解する場合は、ベクトルと逆基底の内積で成分を割り出せる。 よって、成分と成分も同様に求まり、これらをに代入すると次のようになる: ベクトルと逆基底の内積を分数表記に纏めると、分かりやすい式になる。 1次元では、スカラ除算としてになるため、ベクトルになって成分が増える感覚のままで良い。 微分のベクトル扱い微分形式では、微分、、自体をベクトルとして扱う。 最後に、成分分解を書くと、記号的に自ずと全微分の公式が得られる*5。 *3
注意、微分形式では全ての微分がベクトル。
*4 一般的には、この微分は偏微分としてと基底とは異なる記号で表記されるが、逆基底を正しく定義すれば区別する必要が無くなる。 *5 偏微分もで書くことになるが。 まとめ・つなぎ成分計算の嵐であるベクトル解析でも、分数表記で逆基底を定義すれば、小学校から養った割り算の感覚を持ち込める。 ベクトルは小学校から大学まで随所登場するため、凌宮数学では逆基底の表記が至る所に登場する。 |