極座標系と回転座標系 のバックアップの現在との差分(No.3) |
背景(暫定)極座標は曲線座標であるため、成分計算に線形性が無い。 しかし、回転系に導入した正規直交系では線形性を持つ。 これらは似て非なるものであるが、両方とも「極座標」として混同され易い。 しかし、回転系に導入した直交系ないし斜交系では線形性を持つ。 これらは似て非なるものであるが、両方とも「極座標」と呼ばれ、混同しやすい。 各座標系とベクトルの成分分解正規直交座標系正規直交座標系とは、原点で直交する有向直線を座標軸とし、 極座標系極座標系とは、正規直交座標系の成分に対し、 変換を満たす成分の組で表される座標系である*2*3 極座標系とは、正規直交座標系の成分に対し、 変換を満たす成分の組で表される座標系である*4*5。 以下に点の対応する成分を例示する。
*1
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B4%E4%BA%A4%E5%BA%A7%E6%A8%99%E7%B3%BB
*2 区別のため、本記事では正規直交座標系の成分を丸括弧でと表し、極座標を二重丸括弧でと表す。 *3 ref: http://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/physics/category/others/coordinates/henkan-tex.cgi?target=/math/physics/category/others/coordinates/circular_coordinates.html *4 区別のため、本記事では正規直交座標系の成分を角括弧でと表し、極座標を二重丸括弧でと表す。通常は表記で区別しない。 *5 ref: http://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/physics/category/others/coordinates/henkan-tex.cgi?target=/math/physics/category/others/coordinates/circular_coordinates.html 回転座標系回転座標系とは、正規直交座標系をを原点回りに角度だけ回転した座標系である*6。 簡単なため、の場合のベクトルの対応する成分を例示する。 簡単なため、の場合のベクトルの対応する成分を例示する*7。
回転座標系の回転角が極座標系に基づいているため、この回転座標系を 「正規直交座標系をを極座標系に基づきだけ回転した座標系」と言い表せる。 *6
ref: https://www.phys.chuo-u.ac.jp/labs/nakano/rikigaku2/sec12.pdf
*7 区別のため、本記事ではベクトルの極座標を一重丸括弧でと表す。通常は表記で区別しない。 2つの「極座標」と線形性2つの「極座標」の相違点極座標系O_{r\theta}と回転座標系O^\theta_{uv}は既に示した通り、O_{xy}からの変換式も対応する点の座標値も異なる別の座標系である。 しかし、極座標系の基底ベクトルを導入する文脈では両方を区別せずに「極座標」と言ったりする。 極座標系と回転座標系は既に示した通り、 からの変換式も対応する点の座標値も異なる別の座標系である。 しかし、極座標系の基底ベクトルを導入する文脈では両方を区別せずに「極座標」と呼んだりする。 例えば、http://www.th.phys.titech.ac.jp/~muto/lectures/Gmech08/chap05.pdf のP53から§5.1.2 平面極座標では、 例えば、http://www.th.phys.titech.ac.jp/~muto/lectures/Gmech08/chap05.pdf の§5.1.2 平面極座標では、 座標値は式(5.15)が示す極座標の変換 に従うのに対し、 単位ベクトルは式(5.17)が示す回転座標系の変換 に従っている。 成分は具体的に書いてないが、全く同じ形をした に従う。 ベクトルが位置を表すとき、 直交座標では座標の成分もベクトルの成分で共通してとなるが、 極座標では座標の成分とベクトルの成分が一致しない。 具体に、のとき、、、、となる。 すなわち、である。 本記事では、区別のため回転座標系自体の回転角を、回転座標系の軸をと別の文字で表しているが、 一般的な流儀では、とを区別せずに同じ文字を流用する。 引用した例では、はそのまま、、という対応になる。 一般に、位置以外で、の代わとしてベクトルで考えたのがである。 導入時を除けば、ベクトル解析で「極座標」と言えば専らのを指す。 線形性ベクトルの線形性と正規直交座標系上での成分表示線形性とは、自由に足し引きできる性質である。 ベクトルの場合は、厳密に加法と倍の演算を持つ性質を意味する。 線形性を持つ系では数学的に扱い易いため、理工学では好き好んで用いている。http://www.th.phys.titech.ac.jp/~muto/lectures/Gmech08/chap05.pdf 一般に、ベクトルとの和は、正規直交座標系で成分の和として定義され、 ベクトルにスカラー値の倍したベクトルが正規直交座標系で成分の積として定義される。 、のとき、 具体に、、 のとき、 基底の線形結合を使ったベクトルの記述は正にこの線形性利用した表記と言える。 正規直交座標系の基底をと置くと、 成分であるとがスカラーで、基本ベクトルとがベクトルであるため、 はベクトルの和と倍の組合わせそのものである。 ベクトル線形性はその更なる和と倍であるため、形式的には単純な分配法則になっている。 具体に、 |