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数学では「特性方程式」という言葉が次の異なる分野で登場する:

  • (高校)数列:数列の漸近式を解くのに使われる。
  • (大学)微分:微分の方程式を解くのに使われる。
  • (大学)行列:行列の固有値を求める際に出くわす。

これらは互いに繋がってはいる。
しかし別々に学ぶためか、繋がるように説明されない場合が多い。
数列を学ぶときは、微分も行列も知らないから仕方ないとして、
微分は微分、行列は行列と、わざわざ数列と比較することは少なかろう。

実際問題として、数列では特性方程式を手段として覚えさせるも、
上手く行く理由の説明が不十分だったりと、簡単に比較できない状態に多い。
$$ a_n $$$$ a_{n+1} $$$$ \alpha $$と置いて解くのを覚えろ」は手順なのが論外として、
「等比数列の漸化式に変形する」説明もまだ具体すぎて、本質からは程遠い。

本質は線形性であり、
数列さえ線形演算として見れたら3つの特性方程式が簡単に繋がる。
微分方程式は線形常微分方程式に限るし、行列は言わずも線形である。

以下に、数列の漸化式を線形演算として捉え、
数列、微分、行列における3つの特性方程式を統一的に扱ってみる。

各論 EditToHeaderToFooter

まずは現状の確認として、個々の標準的な説明を示す。

行列の線形漸化式と特性方程式による解法 EditToHeaderToFooter

1次線形漸化式 EditToHeaderToFooter

高校で数列を扱う際に、等差数列、等比数列、漸化式の順に習う。
等差数列は、初項$$ s_0 $$、公差$$ d $$の数列$$ s_0 $$$$ , $$$$ s_0 $$$$ + $$$$ d $$$$ , $$$$ s_0 $$$$ + $$$$ 2d $$$$ ,\cdots, $$$$ s_0 $$$$ + $$$$ nd $$$$ ,\cdots $$
等比数列は、初項$$ p_0 $$、公差$$ r $$の数列$$ p_0 $$$$ , $$$$ p_0 $$$$ \times $$$$ r $$$$ , $$$$ s_0 $$$$ \times $$$$ 2r $$$$ ,\cdots, $$$$ s_0 $$$$ \times $$$$ nr $$$$ ,\cdots $$

これらはそのまま単純な漸化式として捉えることができる。
等差数列は、初項$$ s_0 $$、漸化式$$ a_{n_+1} = a_{n} $$$$ + $$$$ d $$ の数列。
等比数列は、初項$$ p_0 $$、漸化式$$ a_{n_+1} = a_{n} $$$$ \times $$$$ r $$ の数列。

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