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/線形演算子で繋がる特性方程式

* 背景 [#s9327502]
;,数学では「特性方程式」という言葉が次の異なる分野で登場する:
- (高校)数列:数列の漸近式を解くのに使われる。
- (大学)微分:微分の方程式を解くのに使われる。
- (大学)行列:行列の固有値を求める際に出くわす。

;,これらは互いに繋がってはいる。
;,しかし別々に学ぶためか、繋がるように説明されない場合が多い。
;,数列を学ぶときは、微分も行列も知らないから仕方ないとして、
;,微分は微分、行列は行列と、わざわざ数列と比較することは少ない。
;,微分は微分、行列は行列と、わざわざ数列と比較することは少なかろう。

;,実際問題として、数列では特性方程式を手段として覚えさせるも、
;,なぜ上手く行くかについての説明が不十分で、再利用し難いのもある。
;,「$$ a_n $$と$$ a_{n+1} $$を$$ \alpha $$と置いて解くのを覚えろ」は解法しか教えてないから論外として、
;,「等比数列の漸化式に変形する」説明もまだ具体的で比較すべき本質に遠い。
;,上手く行く理由の説明が不十分だったりと、簡単に比較できない状態に多い。
;,「$$ a_n $$と$$ a_{n+1} $$を$$ \alpha $$と置いて解くのを覚えろ」は手順なのが論外として、
;,「等比数列の漸化式に変形する」説明もまだ具体すぎて、本質からは程遠い。

;,数列さえ線形演算子で見れば3つの特性方程式が簡単に繋がる。
;,微分方程式は線形常微分方程式に限られるし、行列は言わずも線形である。
;,本質は線形性であり、
;,数列さえ線形演算として見れたら3つの特性方程式が簡単に繋がる。
;,微分方程式は線形常微分方程式に限るし、行列は言わずも線形である。

;,以下に、数列の漸化式を線形演算として捉え、
;,数列、微分、行列における3つの特性方程式を統一的に扱ってみる。

* 各論 [#te19e1ed]
まずは現状の確認として、個々の標準的な説明を示す。

** 行列の線形漸化式と特性方程式による解法 [#hf1fa003]
*** 1次線形漸化式 [#q24637d3]
;,高校で数列を扱う際に、等差数列、等比数列、漸化式の順に習う。
;,等差数列は、初項$$ s_0 $$、公差$$ d $$の数列$$ s_0 $ , $ s_0 $ + $ d $ , $ s_0 $ + $ 2d $ ,\cdots, $ s_0 $ + $ nd $ ,\cdots $$。
;,等比数列は、初項$$ p_0 $$、公差$$ r $$の数列$$ p_0 $ , $ p_0 $ \times $ r $ , $ s_0 $ \times $ 2r $ ,\cdots, $ s_0 $ \times $ nr $ ,\cdots $$。

;,これらはそのまま単純な漸化式として捉えることができる。
;,等差数列は、初項$$ s_0 $$、漸化式$$ a_{n_+1} = a_{n} $ + $ d $$ の数列。
;,等比数列は、初項$$ p_0 $$、漸化式$$ a_{n_+1} = a_{n} $ \times $ r $$ の数列。

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