多項式単位面積 EditToHeaderToFooter

受験数学では、2次関数と直線に囲まれる面積を求める便利公式として、
1/6公式、1/3公式、1/12公式などと呼ばれる公式群がある。

例えば、2次項の係数が$$ a $$の2次関数$$ P $$$$ y $$$$ = $$$$ ax^2 $$$$ + $$$$ \cdots $$について、
$$ P $$と任意直線$$ L $$が2点で交わり、交点座標の$$ x $$成分がそれぞれ$$ \alpha $$$$ \beta $$のとき、
$$ P $$$$ L $$に囲まれる図形の面積は$$ \ffd16 $$$$ |a| $$$$ (\beta - \alpha)^3 $$で求まる。*1

これらの公式は以下の因子を持ち、面積$$ S $$$$ = $$$$ k $$$$ |a| $$$$ (\beta - \alpha)^n $$という形をしている。

  • 簡単な整数比となる係数$$ k $$
  • 多項式関数の最高次項の係数の絶対値$$ |a| $$
  • 2点の$$ x $$座標差の累乗$$ (\beta - \alpha)^n $$

頻出問題に有効な上に、係数が簡単な整数比であるため、暗記対象とされる場合が多い。
その中、図形的意味を吟味して、直観的に理解する試みも為されている。

本記事では、凌宮数学の流儀でこの公式群の図形的意味について考察する。

一般に、多項式$$ x^n $$について区間$$ \alpha::\beta $$の面積は$$ \int_\alpha^\beta $$$$ x^n $$$$ dx $$$$ = $$$$ \Big[ $$$$ \ffd1{n+1} $$$$ x^{n+1} $$$$ \Big]_\alpha^\beta $$で与えられる。
そのため、$$ \alpha $$$$ \beta $$が整数のとき、面積は$$ U_n $$$$ = $$$$ \ffd{1}{n+1} $$の整数倍になる。
さらに、$$ U_n $$は区間$$ 0::1 $$の面積$$ \int_0^1 $$$$ x^n $$$$ dx $$$$ = $$$$ \Big[ $$$$ \ffd1{n+1} $$$$ x^{n+1} $$$$ \Big]_0^1 $$の解でもある。
そのため、$$ U_n $$$$ n $$次関数の単位面積と見なせる。

以下では、区間$$ 0::1 $$における多項式単位面積から出発し、単位面積の差で上記公式群の係数を導く。
この導出が可能なため、公式群を便宜的に「(多項式の)単位面積公式」と呼ぶことにする。

単項式の単位面積:区間$$ 0::1 $$の面積 EditToHeaderToFooter

*1 $$ \beta $$$$ > $$$$ \alpha $$とする。
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