受験数学では、2次関数と直線に囲まれる面積を求める便利公式として、 1/6公式、1/3公式、1/12公式などと呼ばれる公式群がある。
例えば、2次項の係数がの2次関数:について、 と任意直線が2点で交わり、交点座標の成分がそれぞれとのとき、 とに囲まれる図形の面積はで求まる。
これらの公式は以下の因子を持ち、面積という形をしている。
頻出問題に有効な上に、係数が簡単な整数比であるため、暗記対象とされる場合が多い。 その中、図形的意味を吟味して、直観的に理解する試みも為されている。
本記事では、凌宮数学の流儀でこの公式群の図形的意味について考察する。
一般に、多項式について区間の面積はで与えられる。 そのため、とが整数のとき、面積はの整数倍になる。 さらに、は区間の面積の解でもある。 そのため、を次関数の単位面積と見なせる。
以下では、区間における多項式の単位面積から出発し、単位面積の差で上記公式群の係数を導く。 この導出が可能なため、公式群を便宜的に「多項式の単位面積公式」と呼ぶことにする。
。
1/3公式
放物線:と直線:が 点で接し、放物線と直線とに囲まれる図形の面積は、 で求まる。
…
1/3公式の係数はである。
1/6公式の係数はである。