定数係数1階線形常微分方程式 のバックアップの現在との差分(No.4) |
凌宮読取術: ⇒ ⇒定数係数の1階線形常微分方程式とその解の公式は次のようになっている:
定数係数1階線形常微分方程式は上記の形をしている。 ここで、とはの関数とで、はの定数*1である。 定数係数の1階線形常微分方程式は微分で定義される多くの分野で現れるため、 「変数分離法&定数変化法」*2という定番解法が大学入学早々叩き込まれる。 変数分離法と定数変化法では解けることができても、直観的に解を得るのは難しい。 その上、高階の方程式を解くのに1階の解が多用されるため、ほぼ丸暗記する羽目になる。 例えばとする演算子法では、逆演算子の形で暗記対象になる*3:
これに対し、凌宮数学では直観を重視する演算子法を拡張し、 指数変換演算子を導入して、のに単純な意味を与え、 高階の常微分方程式に繋げやすい解法を与える。 方程式の解は、次の積分を解けば得られる:
この積分式は定数係数1階線形上微分方程式の解の公式と呼ばれる物で、 暗記してしまえば、定数係数の1階で線形な常微分方程式であれば、とりあえず解けることになる。 問題は、 *1
は凌宮数学の定数表記であり、を表す。
*2 EMANの物理学>物理数学>微分方程式>一階線形微分方程式: http://homepage2.nifty.com/eman/math/differential07.html *3 EMANの物理学>物理数学>微分方程式>演算子法: http://homepage2.nifty.com/eman/math/differential12.html 定数係数1階線形常微分演算子の分解表記の逆演算子一般に、微分に対し、不定積分が定義される。 このため、微分演算の逆演算は不定積分〜となる。 の分解表記定数係数の1階線形常微分方程式とその解の公式の積分をで書き換えると: このため、の逆演算子であるは形式的に次のように分解できる: 問題は、と書いている箇所にが入るが、これを簡単に省けない。 はとの両方に掛かるが、と書いた場合はだけの積分に化けてしまう。 このため、積分対象を簡潔にかつ正しく記述するには、も演算子にする必要がある。 指数変換演算子:と指数変換演算子を定義すると、 は必ず何かに作用し、だけでを表現できるようになる。 を使えば、はとの演算子チェーンとして記述できる:
さらに、はの掛算であるため、逆演算子はの逆数の掛算となる:
意味は、で指数変換してから、積分して、の逆変換を掛ける、と読める。 の分解表記の逆演算を取ると、が得られる:
意味は、で指数変換してから、微分し、逆変換を掛ける、と読める。 ポイントはが正演算に戻るだけで、とに関しては変わりが無い。
計算例以上を纏めると、演算子分解法を使えば、定数係数1階数線形常微分方程式を以下のように解ける:
演算子分解法に基づく、定数係数1階線形常微分方程式の解釈上記式3を式4に書き換える途中、先頭のだけを逆演算子に書き換えると式3’が得られる:
式2と式3'を見比べれば、とに関する定数係数1階線形常微方程式は、 指数変換を施したとに関する定数項無しの微分方程式であると解釈できる。この考え方に基づくと、解答は次のように変る。
まとめ・つなぎと置けば1階線形常微分方程式をに書き換えるのは容易だろう。 その先、と答えを丸暗記するよりは、 段階的にと分解してから個別に逆演算に直す方が覚えやすく、 と両辺の指数変換を経てのと覚える方が理屈を付けやすいだろう。 に対しとしか登場しなければ、との順番を覚える必要が無くなる。 小さいことではあるが、片方に付くが他方に付かない「-1」などは、混乱の元でしか無い。 |