『本で出会う駒場発の先端研究』 EditToHeaderToFooter


http://lib.c.u-tokyo.ac.jp/digitalex/opencampus/index.html

  • 原典が『代微積拾級』著者: A. Wylie 口授/ 李善蘭 筆述 刊行年 1859年

    「微分」と「積分」が中国語に翻訳されて一般化するきっかけになったのが本書

    • 原書は、E. Loomis, Elements of Analytical Geometry and of Differential and Integral Calculus, 1850.

『近代日本における,函数の概念とそれに関連したことがらの受容と普及』(立教大学名誉教授 公田 藏) EditToHeaderToFooter


http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1787-23.pdf
p267, ch3

  • 福田半が『代微積拾級訳解』を訳すが、四巻予定のうち一巻止まり
  • 邦文の最初の微分積分の書物は,福田理軒閲,福田半編『筆算微積入門』全 2 冊 (前集,后集) (明治 13 (1880) 年)

『筆算微積入門』@国立国会図書館デジタルコレキション EditToHeaderToFooter


前編: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/828991
後編: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/828992

12コマ: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/828991/12 EditToHeaderToFooter


13コマ: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/828991/13

  • 基本的に、微小量の極限から導入する古い微分法である。
  • 数式の表記は現在と全く同じである。
    1. 「変大数」という名で差分$$ \Dl x $$を導入
    2. 「微長数」という名で$$ \Dl x $$$$ + $$$$ x $$を導入
    3. $$ \Dl x $$$$ + $$$$ x $$を関数に代入して、$$ \Dl v $$$$ + $$$$ v $$を算出
    4. $$ \Dl v $$$$ + $$$$ v $$から$$ v $$を引いて、差分$$ \Dl v $$を算出
    5. $$ \Dl v $$$$ \Dl x $$の比として差分商$$ \ffd{\Dl v}{\Dl x} $$を導入・算出

$$ v $$$$ = $$$$ x^2 $$

$$ x $$を自変数とし、$$ v $$を函数とし、その変大数の符号をΔとするときは、

$$ x $$$$ v $$変して、$$ x $$$$ + $$$$ \Dl x $$$$ v $$$$ + $$$$ \Delta v $$

ゆえに、$$ v $$$$ + $$$$ \Dl v $$$$ = $$$$ ( $$$$ x $$$$ + $$$$ \Dl x $$$$ )^2 $$$$ = $$$$ x^2 $$$$ + $$$$ 2x $$$$ \Dl x $$$$ + $$$$ \Dl x^2 $$

原式を減するときは$$ \Dl v $$$$ = $$$$ 2x $$$$ \Dl x $$$$ + $$$$ \Dl x^2 $$

ゆえに、$$ v $$の微長数は$$ \Dl v $$にして、$$ x^2 $$の微長数は$$ x^2 $$$$ + $$$$ 2x $$$$ \Dl x $$$$ + $$$$ \Dl x^2 $$なり。

もし$$ x $$の微長数を以て、函数の微長数に比するときは、$$ \ffd{\Dl v}{\Dl x} $$$$ = $$$$ 2x $$$$ + $$$$ \Dl x $$

15コマ: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/828991/15 EditToHeaderToFooter

  • 微分の概念を導入、同時に記号を書換え

前に説処の微長数の符号$$ \Dl $$は、思想の及ぶべきものに用ゆる

微長数にしてその極に至り、思想すべからざる微分数に至ては換るに$$ d $$を以てす

15コマ: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/828991/15 EditToHeaderToFooter


16コマ: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/828991/16

  • x-vグラフの接線で微分を説明し、$$ \ffd{dy}{dx} $$を接線の偏角の正接と結びつけて、微分係数と定義。  &img(dyfrdceqtan.png);

    (三)式の如し因て$$ \ffd{dy}{dx} $$をその点に引ける觸線*1横軸との交角の正切とす

    しかし、〓式に依ては必ず正切と成るにあらす唯之を微係数と名く

*1 「觸」は「触」の旧字、訓読みは「さわる」「ふれる」。「觸線」は「切線」、「接線」と同義。
fileyeqaplx3.png 502件 [詳細] filedyfrdceqtan.png 505件 [詳細]
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