微分積分学の基本公式 のバックアップ(No.40) |
凌宮読取術: ⇒微分積分学には、「微分積分学の基本公式」と呼ばれる微分と積分を結ぶ関係式がある。
歴史的には、別々に発展した微分法と区分求積法の2大分野を繋げた超重要定理*1の一部である。 問題は、図形と密接に繋がっている公式にも関わらず、図による直観的な説明は見掛けない。 これに対し、凌宮数学では、面積でない概念で積分を解釈し、
*1
Wikipedia/微分積分学の基本定理 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%AE%E5%88%86%E7%A9%8D%E5%88%86%E5%AD%A6%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E5%AE%9A%E7%90%86
*2 勾配の線積分: ── 微分積分の基本公式のベクトル版。なぜか慣用名は無い。 *3 回転の面積分: ── 面積分と線積分を繋ぐ置換積分公式。ストークスの定理。 *4 発散の体積分: ── 体積分と面積分を繋ぐ置換積分公式。ガウスの定理。 変数の微分積分 ── 関数でない、もう一種類の微分積分独立変数の微分積分第1段階では、問題を簡単にするべく、1つの変数から始める。 まずは、軸と軸上に2点とがある場合を考える。 つぎに、区間を分割して、分割点をから順に、…と名付ける。 ポイントは、今は区間を単純に分割しているため、を繋ぎ合わせば必ずに戻ること。
続けて、分割数を無限に増やしてみる。 一方で、式1は分割数に無関係に成り立つため、無限に分割ても同様の式が成り立つ:
ここで、左辺のは微小量の総和であるため、に書き換えできる*7
*5
は凌宮数学の閉区間表記である。一般的に閉区間は括弧表記で表記されるが、優先順位の括弧と紛らわしいため凌宮数学では用いない。
*6 のような一般的な微分とは全く別物である。区別のため「全微分」で呼ばれる場合がある。 *7 「微小量の総和」というのがの本来の意味である。 従属変数の微分積分第2段階として、を想定した、従属変数を考える。
まずは、軸と2点、があれば、長さの区間が1つ区切られる。
続けて、無限に分割すれば、長さの区間が無限に作られ、繋げばやはりに戻る。
最後に、は、全て同じ意味であり、積分らしく〆て:
「独立変数の微分」と「従属変数の微分」の関係第3段階として、との関係を考える。
まずは、軸と2点と、直交する軸と2点、について考える。
つぎに、を分割し、の関係を保ちながらも分割する。
続けて、を無限に分割する。
さらに、対応していることが分かれば良いので、添字を省けば:
*8
一般に、であることに注意。
*9 もの関係も具体的に分から場合、と関数記号で書くは王道だが、強引に恒等式で書く手法もある。 *10 恒等式もなど色々作れて、除算と乗算を選ぶ理由は特に無いが、除算と乗算を選べば微分と積分に繋がる。 微分積分の基本公式これまで、「差」→「差分」→「微分」と区間を小さくする手順を繰り返してきた。
また、微分積分学の基本公式の一般的な説明では「近似誤差」と「極限でに収束する概念」が必須である*11が、 *11
例: 青空学園数学課/数学対話/基礎分野/定積分の定義/微積分の基本定理 http://aozoragakuen.sakura.ne.jp/taiwa/taiwaNch01/node55.html
補足: 2種類の微分積分微分積分の直観的理解のため、変数の微分とその積分について考えた。
全微分は特定の変数だけの微小量であり、全積分はその逆演算として、微小量の総和である差を表す。 微分積分の基本公式では、 ※ 日本語の「微分」も「全微分」も複数の概念を表している。 *12
他に、常微分、微分係数、導関数、微分商とも呼ばれる。
*13 「微分」の混用(物理のかぎしっぽ): http://hooktail.maxwell.jp/bbslog/24837.html *14 微分係数や導関数と微分(Wikipedia):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%AE%E5%88%86%E6%B3%95 *15 全微分と微分(Wikipedia):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E5%BE%AE%E5%88%86#.E5.85.A8.E5.BE.AE.E5.88.86 *16 日本語の英語に誤訳が出るほどなので、要注意。 *17 第1案は、「変数の」か「関数の」かで接頭語を付ける方式だが、「変数の微分」は微分対象が「1」であるように、「変数」ではないので名実ではない。 *18 第2案は、中国語に倣い「微分」と「導関数」に基づく方式だが、対応する積分の命名(「積分」と「積関数」?)との折り合いが付かない。 まとめ・つなぎこれまで、微分積分の基本公式を直観的に理解するため、全微分と全積分に基づく一連の図を描いた。 微分積分の基本公式は、ベクトル解析の分野で大きな影響力を持っている。 |