論理包含の表記
のバックアップの現在との差分(No.2)
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論理包含の表記
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概要
論理包含、含意、内含は、歴史的には記号
で表記される経緯がある。
論理包含は、歴史的には記号
で表記されている。
他方、集合論でも集合の包含の表記にも記号
が使われる。
ところが、命題
に対し、
と
に関連深い集合
と
を考えると
と真逆な向きになり、紛らわしいことが起こる。
ところが、命題
に対し、
と
に関連深い集合
と
を考えると
と真逆な向きになり、
見た目的に紛らわしいことが起こる。
以下では、その仕組みを簡単に纏める。
なお、混同を減らすため、紛らわしさを対比させる場合を除き、
原則として、論理包含は記号
で、集合包含は記号
で表記する。
なお、混同を避けるため、集合包含は記号
で表記し、
論理包含は今日において良く用いられる
で表記する。
命題と集合の対応関係
一般に、命題
があると、その命題を条件とする集合
と1対1で対応づけできる。
例えば、
が「
が偶数」であれば、対応する
が偶数
が必ず作れる。
この1対1の対応付けは集合の内包表記そのものに利用され、集合の要件としても要請される。
命題と集合の対応付け
一般に、集合は命題を使って命題が真となる要素で定義できる。
命題
による定義は内包表記で集合
と書ける。
これにより、命題と集合を一対一で対応づけできる。
逆に、集合
があると、要素の包含を表す命題
が1対1で対応づけできる。
例えば、
が偶数の集合ならば、対応する
、すなわち「
は偶数である」が必ず作れる。
一般に、
は常に成り立つ。
例えば、命題
が「
が偶数」であれば、対応する集合
が偶数
を必ず唯一に作れる。
論理包含の集合表記
簡潔のため、命題と集合の対応関係を記号
で表記する。
逆に、集合
があると、対応する命題
の真偽は、
が集合
に属すか否かで決まる。
特に
のとき、
真偽値に対応する集合
恒偽
、すなわち、
が
に関わらず恒偽の場合、
対応する集合
は要素を1つも持たないので、空集合
となる。
よって、恒偽は空集合に対応する。
恒真
、すなわち、
が
に関わらず恒真の場合、
対応する集合
は全ての
を要素として持つので、
は全体集合
となる。
よって、恒真は全体集合に対応する。
で考えている場合、
が全体集合になるので、
が成り立つ。
対応式で書くと
例えば、
で考えている場合、
が成り立つ。
に代入した
も命題と集合の対応関係から自明的に成り立つ。
基本論理演算に対応する集合演算
論理否定
命題
に対応する集合は
と書ける。
一方で、内包表記で記述される条件を満たさない集合は補集合であるため、
と書ける。
よって、論理否定は補集合に対応する。
例えば、真偽値に関して、次の計算が容易に確認できる。
論理和
命題
に対応する集合は
と書ける。
一方で、集合としてみた場合、任意の
は
と
の片方にでも属せば集合
の要素となるため、
と書ける。
よって、論理和は和集合に対応する。
論理積
命題
に対応する集合は
と書ける。
一方で、集合としてみた場合、任意の
は
と
の両方に属して初めて集合
の要素となるため、
と書ける。
よって、論理積は積集合に対応する。
論理包含と部分集合
命題
の集合表記を考える。
対応関係は、
、
、
となる。
論理包含は論理否定と論理和を使って、
と書ける
そのため、
に対応する集合
は以下に計算できる。
これに端的に表す専用の集合演算記号は、一般的には用意されてない。
そこで、
が恒真のとき、
と
の関係について考える。
より、
となる。
両辺の補集合を取ると、
が言える。
これは、
の外側に
の要素が存在しない意味であるため、
が
に集合的に包含される関係になる。
もし、論理包含の記号を
の代わりに
を用いた場合、
論理式と集合式で
と
の両方が出て、紛らわしい見た目になってしまう。
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