偏微分
のバックアップの現在との差分(No.3)
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偏微分
へ行く。
2013.0101.0329 暫定原稿
を
で偏微分
一般に1変数関数
の微分と言えば
である。
これが多変数関数
となると、偏微分
と
、そして、全微分
が登場する
*1
。
問題は、この
と
の使い分けが微分を難しくする原因の一つである。
導入
教科書的に纏めると、次のようになる:
名称
被微分関数
微分表記
定義例
常微分
1変数:
偏微分
多変数:
全微分
1変数:
多変数:
まず、多変数関数の各種微分に対し、1変数の微分を特に常微分と呼ぶ。
定義からも、偏微分が常微分の拡張で、全微分は別の概念ということが分かる。
1変数関数
に対し、
による微分を
と表記し、次のように定義される。
次に、1変数関数を2変数関数の特殊例と見なした場合、1変数関数に限り
が成り立つ。
このため、常微分を
で書くと恐らく注意される程度で済むだろう。
しかし、偏微分に
、全微分に
を使うのは問答無用のバツになる。
自分の経験上、学生が混乱し始めるのは次の
の連鎖則と出遭うときである。
2変数関数
に対し、同様に微分したものは偏微分と言って
と表記され、次のように定義される。
この式がエグいのは次の2点である。
2変数関数でも
と
が、1変数関数でも
と
、
と
が出揃っている。
全微分
、
、
を
で割って、常微分
、
、
を作っている。
を使った偏微分と区別して、
を使った微分を特に常微分と言う。
これだけの定義だが、偏微分と常微分の違いを正しく説明できる人は意外に少ない。
勿論、「偏微分では
を固定している」だけでは矛盾が生じる。
実際、学ぶ方にとっては
と
の使い分けが非常に紛らわしく、微分が難しく感じる要因の一つである。
結論を言うと、偏微分と常微分は同じ微分演算であるため、微分としては共通の記号を通して使うべき。
しかし、偏微分と言うだけで、積分は勿論、既にベクトルまで含まれるのが現状である。
このため、表記を統合するためには、記号の意味から変える必要がある。
以下では、まず同一関数
に対し、偏微分
と常微分
が同時に存在し、異なる値を持つ場合について考える。
次ぎに、
で欠けてる情報を補った偏微分のフル表記とその意味について考える。
最後に、偏微分の意味毎の分離表記について考え、偏微分と常微分を統合する。
この話しの目標は、関数
があって、どんな関数だろうと
で微分する限り
と表記することである。
目次
偏
微分と
常
微分の違い
偏
微分と
偏
微分の違い
代入微分
偏微分のフル表記
偏微分の意味
偏微分の分離表記
偏微分と常微分の統合表記
微分公式の記述例
以下は予定。内容も含め、偏微分の話しに組み込むか、別の話にするかを検討中。
方向微分
物質微分
不完全微分
偏積分と常積分
*1
他に勾配
なども登場するが、実質上偏微分の拡張であり、偏微分と全微分ほど紛らわしくないため、ここでは考えない。
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