ベクトル積分/基底積 のバックアップの現在との差分(No.1) |
基底積基底成分表記で述べた通り、猫式では通常ベクトル演算の倍積、外積、内積に対してを適応するとき、微小ベクトルのと区別するため、で表記する。これより、微小ベクトルの3種類の演算は次のように書ける。
これは、微小ベクトルの外積の成分側はというであると理解できる。また、は個々の形式において通常ベクトルの演算のどれかに対応している。非常に単純な関係だが、2種類の外積を区別しない限り簡単に見えてこない。 しかし、例えばという表現は成分側は等号の左側の成分側を演算子で結んでいる形をしているのに、基底側は等号の左側に無い記号を使っていて、バランスが悪い。そこで、基底側にも成分側と同様に演算子を形式的に定義してあげると、以下のように微小ベクトルの外積がとに分割され、それぞれの計算法則に従って計算されるように見える。ここで、は基底側の積のため、基底積と呼ぶ。
記号の由来はの基底側に現われる積のために似せているが、はと同じく外積空間を作る外積ではあるのに対し、は計算法則が異なる。今は基底積の演算法則は重要ではないが、一応3次元の場合は成分表示をすると次のようになる。微小ベクトルの外積として計算し、その微小基底と対応する通常基底を並べただけである。
微小基底の累乗表現基底積を用いれば、以下のように、全ての微小基底をのみの基底積で表せる。 積がこの形になれば、累乗で書きたくなるのが数学的センスである。しかし、は既にベクトルの内積を意味する表記として頻繁に用いられるため、の形で書くのは避けたい。そこで、猫式では、基底積の累乗を、または略してと表記する*1。 また、便宜上、と決める。また、便宜上、と決める。これより、基底積の演算は次のようになり、
1次形式 次形式の統一表現を得る。 さらに、ストークスの定理とガウスの定理は次のように表記できる。 階から階に下る置換積分の統一表現は次のようになる。ただし、は次元の超空間、はそれを囲む次元超空間。 この表記であれば、微分のがと打ち消し、がと打ち消す感覚で等式の左辺から右辺を組み立てられる。 まとめ・つなぎ前々回、ベクトル置換積分では無理やりにのような計算を通した。前回、基底成分表記では合法な手法でのような計算をした。そして今回、表記自体を見直し、同じ式をのように変えた。その結果、全ての微小要素がの形で記述され、置換積分はその指数(階数)をする公式になった。 ところが、3次元空間では基底積の演算は3通りあるのに置換積分の公式は2つしかなく、1次形式0次形式の式に対応した置換積分がまだ登場してない。次回はに対応する積分と、とを結ぶ置換積分公式について考える。
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