凌宮数学では、ベクトルの成分と基底を明記する基底成分表記を用いる ここで、とはそれぞれと方向の基底、とは対応する成分である。
複素数も同様に、とを複素空間上の基底と見なせる。
双対基底を選ぶ場合、通常は対応する基底の内積がになる正規条件を課すが、 複素数基底の場合はを課すことで記述できる。
の逆基底を、の逆基底をで表す*1と、 双対基底の正規条件と直交条件が以下のように書ける:
逆基底を正基底の線形結合で表し*2、正基底と内積を取れば正基底と逆基底の関係が求まる。
と置けば、、、直交なためにより、
よって、、、、となり、
*3
ここで、は負の正規条件を満たすが、をで表記するととなり、 通常の複素数積であると異なって、少々紛らわしい。 内積に関して、が単位ベクトルで、自身と向きが同じであるため、となる。 このため、内積と複素数積の違いに十分気をつける必要がある。
任意の複素数は、 正基底と逆基底を使ってと書ける*4。
とで表すと、になる。 これを任意のに対する基底との恒等式と見なせば、正基底と逆基底の成分間の関係が得られる。
正基底と逆基底で表されたの内積を取ると、長さの二乗が得られる。
ところで、複素数解析では、を共役素数を使って表現する場合が多い。