複素数の基底表記 EditToHeaderToFooter

凌宮数学では、ベクトルの成分と基底を明記する基底成分表記を用いる
  $$ \arrb{ A_x & \:e_x \\ A_y & \:e_y } $$$$ = $$$$ A_x $$$$ \:e_x $$$$ + $$$$ A_y $$$$ \:e_y $$
ここで、$$ \:e_x $$$$ \:e_y $$はそれぞれ$$ x $$$$ y $$方向の基底、$$ A_x $$$$ A_y $$は対応する成分である。

複素数も同様に、$$ \:e_1 $$$$ = $$$$ \:1 $$$$ \:e_i $$$$ = $$$$ \:i $$を複素空間上の基底と見なせる。
  $$ \arrb{ A_1 & \:e_1 \\ A_i & \:e_i } $$$$ = $$$$ A_1 $$$$ \:e_1 $$$$ + $$$$ A_i $$$$ \:e_i $$$$ = $$$$ A_1 $$$$ + $$$$ A_i $$$$ \:i $$

負の正規条件 EditToHeaderToFooter

双対基底を選ぶ場合、通常は対応する基底の内積が$$ 1 $$になる正規条件を課すが、
複素数基底の場合は$$ -1 $$を課すことで記述できる。

$$ \:e_1 $$の逆基底を$$ \:e_1^- $$$$ \:e_i $$の逆基底を$$ -\:e_i^- $$で表す*1と、
双対基底の正規条件直交条件が以下のように書ける:

$$ \iro[ao]{\:e_1} $$$$ \iro[ao]{\sx} $$$$ \iro[ao]{\:e_1^-} $$$$ \iro[ao]{=} $$$$ \iro[ao]{1} $$

$$ \iro[ak]{\:e_1} $$$$ \iro[ak]{\sx} $$$$ \iro[ak]{\:e_i^-} $$$$ \iro[ak]{=} $$$$ \iro[ak]{0} $$

$$ \iro[ak]{\:e_i} $$$$ \iro[ak]{\sx} $$$$ \iro[ak]{\:e_1^-} $$$$ \iro[ak]{=} $$$$ \iro[ak]{0} $$

$$ \iro[ao]{\:e_i} $$$$ \iro[ao]{\sx} $$$$ \iro[ao]{-\:e_i^-} $$$$ \iro[ao]{=} $$$$ \iro[ao]{-1} $$

*1 通常表記では正基底と逆基底を$$ \:e_i $$$$ \:e^i $$で書く場合が多いが、
凌宮の逆基底表記には正規条件の値を内包するため明示的に$$ \ffd{-1}{\:e_i} $$$$ = $$$$ -\:e_i^- $$と表す。

正基底と逆基底の関係 EditToHeaderToFooter

逆基底を正基底の線形結合で表し*2、正基底と内積を取れば正基底と逆基底の関係が求まる。

$$ \phantom+\:e_1^- $$$$ = $$$$ c_{11}^- $$$$ \:e_1 $$$$ + $$$$ c_{1i}^- $$$$ \:e_i $$

$$ -\:e_i^- $$$$ = $$$$ c_{i1}^- $$$$ \:e_1 $$$$ + $$$$ c_{ii}^- $$$$ \:e_i $$

と置けば、$$ \:e_1 $$$$ \sx $$$$ \:e_1 $$$$ = $$$$ |\:e_1|^2 $$$$ = $$$$ 1 $$$$ \:e_i $$$$ \sx $$$$ \:e_i $$$$ = $$$$ |\:e_i|^2 $$$$ = $$$$ 1 $$、直交なために$$ \:e_i $$$$ \sx $$$$ \:e_i $$$$ = $$$$ 0 $$より、

$$ \iro[ao]{\cancelto{ 1}{\iro[kr]{\phantom+\:e_1^- \sx \:e_1}}}\quad $$$$ = $$$$ c_{11}^- $$$$ \cancelto{1}{\:e_1 \sx \:e_1}\quad $$$$ + $$$$ c_{1i}^- $$$$ \cancelto{0}{\:e_i \sx \:e_1}\quad $$

$$ \iro[ak]{\cancelto{ 0}{\iro[kr]{\phantom+\:e_1^- \sx \:e_i}}}\quad $$$$ = $$$$ c_{11}^- $$$$ \cancelto{0}{\:e_1 \sx \:e_i}\quad $$$$ + $$$$ c_{1i}^- $$$$ \cancelto{1}{\:e_i \sx \:e_i}\quad $$

$$ \iro[ak]{\cancelto{ 0}{\iro[kr]{ -\:e_i^- \sx \:e_1}}}\quad $$$$ = $$$$ c_{i1}^- $$$$ \cancelto{1}{\:e_1 \sx \:e_1}\quad $$$$ + $$$$ c_{ii}^- $$$$ \cancelto{0}{\:e_i \sx \:e_1}\quad $$

$$ \iro[ao]{\cancelto{\!\!\!\!-1}{\iro[kr]{ -\:e_i^- \sx \:e_i}}}\quad $$$$ = $$$$ c_{i1}^- $$$$ \cancelto{0}{\:e_1 \sx \:e_i}\quad $$$$ + $$$$ c_{ii}^- $$$$ \cancelto{1}{\:e_i \sx \:e_i}\quad $$

よって、$$ c_{11}^- $$$$ = $$$$ 1 $$$$ c_{1i}^- $$$$ = $$$$ 0 $$$$ c_{i1}^- $$$$ = $$$$ 0 $$$$ c_{ii}^- $$$$ = $$$$ -1 $$となり、

ここで、$$ -\:e_i^- $$$$ = $$$$ -\:i $$は負の正規条件を満たすが、$$ -\:e_i^- $$$$ \sx $$$$ \:e_i $$$$ \:i $$で表記すると$$ -\:i $$$$ \sx $$$$ \:i $$$$ = $$$$ -1 $$となり、
通常の複素数積である$$ (-\:i) $$$$ (\:i) $$$$ = $$$$ -\:i^2 $$$$ = $$$$ +1 $$と異なって、少々紛らわしい。
内積に関して、$$ \:i $$が単位ベクトルで、$$ \:i $$自身と向きが同じであるため、$$ \:i $$$$ \sx $$$$ \:i $$$$ = $$$$ +1 $$となる。
このため、内積と複素数積の違いに十分気をつける必要がある。

*2 $$ c_{11}^- $$は単なる係数であり、右肩の「$$ {}^- $$」には「逆基底の係数」を表す他に意味は無い。
*3 直ちに$$ \:e_i^- $$$$ = $$$$ \:e_i $$$$ = $$$$ \:i $$と書けそうだが、$$ -\:e_i^- $$で逆基底を表す定義としているために負号は取れない。$$ \:e_i^- $$については次節で扱う。

複素数の双対表記 EditToHeaderToFooter

任意の複素数$$ \:A $$$$ = $$$$ A_1 $$$$ + $$$$ A_i $$$$ \:i $$は、
正基底と逆基底を使って$$ \:A $$$$ = $$$$ \arrb{A_1 & \:e_1 \\ A_i & \:e_i} $$$$ = $$$$ \arrb{A_1^- & \phantom+\:e_1^- \\ A_i^- & -\:e_i^-} $$と書ける*4

$$ \:1 $$$$ \:i $$で表すと、$$ \:A $$$$ = $$$$ \arrb{A_1 & \:1 \\ A_i & \:i} $$$$ = $$$$ \arrb{A_1^- & \phantom+\:1 \\ A_i^- & -\:i} $$になる。
これを任意の$$ \:A $$に対する基底$$ \:1 $$$$ -\:i $$の恒等式と見なせば、正基底と逆基底の成分間の関係が得られる。

$$ A_1^- $$$$ = $$$$ \phantom+A_1 $$
$$ A_i^- $$$$ = $$$$ -A_i $$

  $$ \:A $$$$ = $$$$ \arrb{\phantom+A_1 & \phantom+\:e_1^- \\ -A_i & -\:e_i^-} $$$$ = $$$$ \arrb{\phantom+A_1 & \phantom+\:1 \\ -A_i & -\:i} $$

正基底と逆基底で表された$$ \:A $$の内積を取ると、長さの二乗$$ |\:A|^2 $$$$ = $$$$ A_1^2 $$$$ - $$$$ A_i^2 $$が得られる。

$$ \:A $$$$ \sx $$$$ \:A $$$$ = $$$$ \arrb{A_1 & \:e_1 \\ A_i & \:e_i} $$$$ \sx $$$$ \arrb{A_1 & \:e_1^- \\ -A_i & \:e_i^-} $$$$ = $$$$ A_1^2 $$$$ - $$$$ A_i^2 $$

ところで、複素数解析では、$$ |\:A|^2 $$を共役素数$$ \overline{\:A} $$$$ = $$$$ A_1 $$$$ - $$$$ A_i $$$$ \:i $$を使って表現する場合が多い。

$$ |\:A|^2 $$$$ = $$$$ \:A $$$$ \overline{\:A} $$$$ = $$$$ ( $$$$ A_1 $$$$ + $$$$ A_i $$$$ \:i $$$$ ) $$$$ ( $$$$ A_1 $$$$ - $$$$ A_i $$$$ \:i $$$$ ) $$$$ = $$$$ A_1^2 $$$$ - $$$$ A_i^2 $$

*4 $$ A_1^- $$$$ A_i^- $$は単なる係数である。
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Last-modified: 2017.0409 (日) 1801.5300 (165d)