温度単位の換算日本では、温度の単位にケルビンとセルシウス度が一般的に用いられている*1。 例えば、と同じ長さ異なる単位で表すと換算はになる。 SI単位系で数値を表すには、、と、量を単位で割った表記を使う*3。 温度の場合は、と表記でき、温度単位の換算はこうなる: *1
http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g50913a412j.pdf
*2 も、その具体例であるも含め、単位換算の考え方は非SI的であることに注意。 SI単位系の表記では絶対温度を、セルシウス温度をと書き分けるている。 単位の違いと見なす場合では同じ温度を指すため、凌宮数学では温度を表すのに一つの量記号に統一している。 *3 国際文書第8版 国際単位系(SI) 日本語版 5.3.1 量の値と数値,及び量の四則演算 (p43-44) https://www.nmij.jp/library/units/si/R8/SI8J.pdf *4 この換算表記は、乗算関係を前提にしていることに注意。 比例式に与える影響一般に、比例関係が成り立つ法則を定式化した場合、量の方程式は比例式になる。 例えば、シャルルの法則では気体の温度は体積に比例し*5、量方程式は比例式になる。
量の換算 ── 基準違いの温度差との違いを単位の違いとも見なせる一方、量の違いとも見なせる:
いわゆる通常の温度差は、任意の状態の温度を基準とした温度差を意味する。 この温度を温度差と見なす視点では、との単位変換はとの量の変換に変わる: 温度差において、とは全く同じ単位となり、単位換算としてはとなる。 量の換算に基づく考え方では、以下の2点において単位換算よりも汎用的と言える。
*7
SI単位系ではを移項した式でセルシウス温度を定義している。
国際文書第8版 国際単位系(SI) 日本語版 2.1.1.5 熱力学温度の単位(ケルビン) (p24-25) https://www.nmij.jp/library/units/si/R8/SI8J.pdf 圧力における類似例圧力では、絶対圧とゲージ圧と呼ばれる2つの基準が良く用いられる*8。
絶対圧とゲージ圧には、大気圧を介した加算換算が成り立つ。 温度と事情が異なり、大気圧の値は約で、気圧変動に依存する。 ただし、工学的には単位の後ろに以下の記号を付けて明記する場合があり、
高度における類似例高度では、基準点の違いで地上高度と海抜高度の2種類が良く用いられる*9:
地上高度と海抜高度には、地面の海抜高度を介した加算変換が成り立つ: ここで、地面の海抜高度も大気圧と同様、場所と時間*11に依存する。 *9
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*10 歴史的に残る「摂氏度」などの言い方は「海抜」などと同じである。 *11 地震などにより地殻変動が起きた場合。 *12 前述の「温度差において、とは全く同じ単位。」とは、 この海抜高度のと地上高度のと同じほど区別する必要がない意味であることに注意。 演算の加法変換依存性これまでに、温度換算に関する2種類の考え方を紹介してきた。 表1で挙げたシャルルの法則のように、加法換算は式の姿を変える場合がある。 温度比(依存)状態と状態があり、温度や温度比を以下のように置く:
にを代入しても、が打消せず、温度比は加法変換に依存する。 このため、絶対零度を原点とする比例関係を持つ現象を記述する熱力学法則では、 高度の例も同様、高度を比で比べるには基準を決める必要がある。 温度差(非依存)状態と状態があり、温度や状態を基準とする温度差を以下のように置く:
にを代入すると、が打消し、温度差は加法変換に依存しない。 このため、いわゆる「温度の差」は絶対温度やセルシウス温度の基準に依らない。 温度差の比(非依存)温度差の基準が既に明示され、絶対温度とセルシウス温度に依らないため、
にもしくは導出済みのを代入すると、が得られる。 このため、状態、、における体積を、、と置けば、 温度の和(依存)状態と状態があり、温度や温度和を以下のように置く*15*16:
にを代入しても、が打消せず、温度和は加法変換に依存する。 このため、絶対温度で取った和とセルシウス温度で取った和は異なる量になる。 温度の平均(依存、変換関係は保存)状態と状態があり、温度や平均温度を以下のように置く*17*18:
にを代入すると、が打消せず、温度の平均は加法変換に依存する。 一般に、絶対温度の平均とセルシウス温度の平均は異なる量であるが、 参考 |