高校範囲の二項乗算関係式の一覧

内包量と外延量の適応限界を調べるため、検証基盤として、高校範囲の二項乗算の関係式を表1に一覧する。
参考した教科書は、啓林館『高等学校 物理毅 改訂版』*1である。
また、兇聾綟に追記する。

成立条件には、関係式を使う際に明示的に課された条件のみを記入している。
量記号は基本的に教科書で使われているものを使用しているため、衝突が起きていることに注意。

*1 平成9年1月31日 文部所検定済み 高等学校理科用 [61 啓林館|物B 600]
表1: 高校物理IB範囲の二項乗算の関係式
 量の意味成立条件導入量
運動
 $$ x $$$$ v $$$$ t $$変位速度×時間$$ v $$=一定(等 速 直線運動)$$ v $$
$$ v $$$$ a $$$$ t $$速度加速度×時間$$ a $$=一定(等加速度直線運動)$$ a $$
$$ F $$$$ k $$$$ x $$バネ定数×変位$$ k $$=一定(弾性バネ比例区間)$$ k $$
$$ F $$$$ m $$$$ a $$質量×加速度$$ m $$=一定 or $$ F $$=一定 or $$ a $$=一定 (※1)$$ F $$
$$ F $$$$ \mu $$$$ N $$摩擦力摩擦係数×垂直抗力$$ \mu $$=一定(静止摩擦 or 一様摩擦面での動摩擦)$$ \mu $$
$$ N $$$$ F $$$$ l $$モーメント×距離 $$ N $$
$$ p $$$$ m $$$$ v $$運動量質量×速度(暗黙的に$$ m $$=一定)$$ p $$
$$ I $$$$ F $$$$ t $$力積×時間$$ F $$=一定$$ I $$
$$ W $$$$ F $$$$ x $$仕事×変位$$ F $$=一定$$ W $$
$$ W $$$$ P $$$$ t $$仕事仕事率×時間$$ P $$=一定$$ P $$
$$ P $$$$ F $$$$ v $$仕事率×速度$$ F $$=一定$$ W $$
  × 
 $$ C $$$$ m $$$$ c $$熱容量質量×比熱$$ C $$=一定$$ C $$
$$ Q $$$$ C $$$$ T $$熱量熱容量×温度$$ c $$=一定$$ c $$
$$ Q $$$$ m $$$$ L $$熱量質量×溶解熱$$ L $$=一定$$ c $$
$$ F $$$$ p $$$$ S $$圧力×面積$$ p $$=一定$$ p $$
$$ W $$$$ p $$$$ V $$仕事圧力×体積$$ p $$=一定 
電磁気  × 
 $$ F $$$$ q $$$$ E $$電荷×電場  
$$ U $$$$ q $$$$ V $$エネルギ電荷×電位$$ V $$=一定$$ V $$
$$ V $$$$ E $$$$ x $$電位電場×変位$$ E $$=一定 (一様電界) 
$$ Q $$$$ C $$$$ V $$電荷電気容量×電圧$$ C $$=一定$$ C $$
$$ Q $$$$ I $$$$ t $$電荷電流×時間$$ I $$=一定$$ I $$
$$ V $$$$ R $$$$ I $$電圧電気抵抗×電流$$ R $$=一定$$ R $$
$$ P $$$$ I $$$$ V $$電力電圧×電流  

運動方程式(※1)

運動方程式の導入には、2つの実験と1つの導出、1つの定義、1つの計算を用いている:

  • 実験1: $$ m $$を一定に保ち、$$ F $$を変化させ、$$ a $$$$ F $$を得る。
  • 実験2: $$ F $$を一定に保ち、$$ m $$を変化させ、$$ a $$$$ \ffd1m $$を得る。
  • 導出1: $$ a $$$$ F $$ and $$ a $$$$ \ffd1m $$$$ a $$$$ F $$$$ \ffd1m $$$$ a $$$$ k $$$$ F $$$$ \ffd1m $$ (ただし、$$ k $$は比例定数)
  • 定義1: $$ k $$$$ \equiv $$$$ 1 $$ and $$ a $$$$ = $$$$ k $$$$ F $$$$ \ffd1m $$$$ a $$$$ = $$$$ \ffd{F}{m} $$
  • 計算1: $$ a $$$$ \ffd{F}{m} $$$$ F $$$$ m $$$$ a $$

また、運動方程式の習得直後に自由落下で$$ W $$$$ = $$$$ m $$$$ g $$を学ぶ。
ここで、$$ W $$は重力で$$ F $$の一種、$$ g $$は重力加速度で$$ a $$の一種である。
自由落下では$$ g $$を一定と見なすため、$$ a $$=一定の等加速度運動となる。

実験1、実験2、自由落下では、それぞれ$$ m $$=一定、$$ F $$=一定、$$ a $$=一定が成立条件である。
このため、運動方程式$$ F $$$$ = $$$$ m $$$$ a $$に対し、2つの比例関係と1つの反比例関係の理解が求められる。

外延量・内包量

加法性に関する一定義例

外延量・内包量の定義を「系の合併における加法性の有・無」とすると、
各量について、(1)系の定義、(2)合併の定義、(3)加法性の定義について考える必要がある。
2014年現在の現状としては、厳密な定義は見当たらず、曖昧な定義も統一されてないと見受ける。
以下では、厳密性を抜きにして、妥当と思う定義の例を示す。

まず、系については明確な定義は無いが、暗黙的に「物質の集まり」を想定しているように見える。
物質の集まりを系と定義すると、合併は物質の集まりの合併*2と考えられる。
物質の集合を$$ M_A $$$$ M_B $$と置くと、合併の結果は和集合$$ M_S $$$$ = $$$$ M_A $$$$ \cup $$$$ M_B $$と定式化できる。

次に、加法性は、物質の集合に付随する量についての性質と考えられる。
物質の集合$$ M $$に付属する何かの属性を表す量を$$ Q(M) $$と表記すると、
加法性は$$ M_S $$$$ = $$$$ M_A $$$$ \cup $$$$ M_B $$に対して$$ Q(M_S) $$$$ = $$$$ Q(M_A) $$$$ + $$$$ Q(M_B) $$となる$$ Q $$の性質と定式化できる。

量が加法性を持つ条件

以上の定義では、加法性は、合併の方法と量の種類に依存する概念と言える。
このため、量だけで加法性の有無を議論するには、合併の方法に依らないことが条件となる。
しかし「合併の方法に依らない」というのは結構厳しい条件であるため、以下の数段階緩めた条件も考えられる。

保存量の加法性
物理量の中には、普遍的な保存則が成立する量がある。
表1の範囲では、質量$$ m $$、運動量$$ p $$、エネルギ$$ U $$、電荷$$ Q $$が該当する。
これらの保存則は、量子力学まで含んだ物理の範疇で成り立つと信じられている。
このため、物理法則に従う限り、合併である限り加法性が保証される。

空間量の加法性
絶対時間と絶対空間の概念を持つ古典力学では、時間と空間で物事を解析的に考える。
表1の範囲では、時間$$ t $$、変位$$ x $$、面積$$ S $$、体積$$ V $$が該当する。
これらは保存量ではないため、合併の方法次第で加法性を持たない場合がある。
しかし、独立変数として扱われる場合、その機能性から加法性が成立つ場合が多い*3

限定的な加法性【検討中】

*2 ここでの合併は、物質の集まりを物質の集合と見立てたときの和集合であり、時間の概念は問わない。参考:算数教育における加減算の意味分類
*3 独立変数なら常に加法性が成立するかは検討中。

以上を表2に纏める

表2
保存量の加法性質量$$ m $$、運動量$$ p $$、エネルギ$$ U $$(仕事$$ W $$、熱量$$ Q $$)、電荷$$ Q $$のみ
空間量の加法性時間$$ t $$、変位$$ x $$、面積$$ S $$、体積$$ V $$のみ

外延量・内包量による乗算関係の分類

上記、保存量の加法性と空間量の加法性に基づき、表1の二項乗算に対して分類した結果を表3に示す。

表3: 外延量・内包量による乗算関係の分類
 量の意味分類
保存量限り空間量込み
運動
 $$ x $$$$ v $$$$ t $$変位速度×時間××
$$ v $$$$ a $$$$ t $$速度加速度×時間××
$$ F $$$$ k $$$$ x $$バネ定数×変位××
$$ F $$$$ m $$$$ a $$質量×加速度××
$$ F $$$$ \mu $$$$ N $$摩擦力摩擦係数×垂直抗力××
$$ N $$$$ F $$$$ l $$モーメント×距離××
$$ p $$$$ m $$$$ v $$運動量質量×速度××
$$ I $$$$ F $$$$ t $$力積×時間××
$$ W $$$$ F $$$$ x $$仕事×変位××
$$ W $$$$ P $$$$ t $$仕事仕事率×時間××
$$ P $$$$ F $$$$ v $$仕事率×速度××
  × 
 $$ C $$$$ m $$$$ c $$熱容量質量×比熱××
$$ Q $$$$ C $$$$ T $$熱量熱容量×温度××
$$ Q $$$$ m $$$$ L $$熱量質量×溶解熱××
$$ F $$$$ p $$$$ S $$圧力×面積××
$$ W $$$$ p $$$$ V $$仕事圧力×体積××
電磁気  × 
 $$ F $$$$ q $$$$ E $$電荷×電場××
$$ U $$$$ q $$$$ V $$エネルギ電荷×電位××
$$ V $$$$ E $$$$ x $$電位電場×変位××
$$ Q $$$$ C $$$$ V $$電荷電気容量×電圧××
$$ Q $$$$ I $$$$ t $$電荷電流×時間××
$$ V $$$$ R $$$$ I $$電圧電気抵抗×電流××
$$ P $$$$ I $$$$ V $$電力電圧×電流××

【執筆中】

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Last-modified: 2014.0403 (木) 1207.4700 (1148d)