辺長がの立方体の1頂点を原点Oに選び、隣り合う3点をA、B、Cと呼ぶと、 四面体OABCの体積はと算出できる。
立方体をOA方向、OB方向、OC方向にそれぞれ倍、倍、倍すると、 体積が共に倍された長方形と(歪んだ)四面体が得られるが、 四面体の体積は直方体ののままである。 ただし、幾何的必要性から、、、は共に以上の実数とする。
同様に、∠AOB、∠BOC、∠COAの角度をぞれぞれ倍、倍、倍すると、 形は歪み、体積も変わるが、四面体の体積は直方体ののままである。 ただし、幾何的必要性から、、、は共に以上かつ以下の実数とする。
以上の変形により、、、と、、の計6つの自由度を作り出している。 これは、四面体の6つの辺を幾何的制約の元で自由に選べる自由度と一致する。 このため、以上6つのパラメータで任意の四面体を作ることが可能であり、 以下の議論は一般性を失わないことと言える*1。
従って、四面体OABCの体積を求めるには、 平行六面体の体積を求めてから、と割れば良い。
原点Oとする3次元空間上の3点A、B、Cの位置ベクトルをそれぞれ、、とする。 点AからB、BからC、CからAへのベクトルをそれぞれ、、とする。 四辺形の全ての辺長が分かることは、各ベクトルの大きさを全て既知であることを意味する。
すると、三角形AOB、BOC、COAのそれぞれで点Oを頂点とする余弦定理を考えると、 、、の大きさを、、間の内積に交換できる。
簡潔のため、、、、、、とする。
平行六面体の3辺、、間の内積が分かれば、体積は行列で求まる。 ベクトル、、を3列とする行列を考えると、平行六面体の体積はの行列式となる。 その自乗は、、、間の内積の式になる。