反変ベクトルと共変ベクトル一般に、双対関係にある基底とに対し、基準となるを共変基底、を反変基底と呼ぶ*1。 ベクトルやスカラが持つ座標不変性のため、 これに対し、凌宮数学では双対基底を正基底と逆基底に分け、逆数と似た表記法を用いることで計量的イメージを直観的に表せる。 逆基底表記基底凌宮数学では共変基底を正基底とし、 反変と共変で良く扱われる定数倍の座標変換に関して、 双対基底間の内積は、倍と倍が打ち消して座標変換に関して不変であるのも形式的に分かる。 成分一般に、任意のベクトルに対し、その成分はベクトルと逆基底ベクトルの内積で与えられる。 正基底が倍に変わる場合、 他方、逆基底の成分は正基底で割算するため、倍に変わるのは容易に予想できる。 内積一般に、任意のベクトルとは一対の反変と共変表記により成分同士の積和形で表せる。
正基底を倍したところで、逆基底が倍になり、全体では変わらないのが分かる。 歴史的に、ベクトルを成分のみで表す習慣が根強い。 同一のベクトルでも表記次第で反変ベクトルにも共変ベクトルにもなるため、 特に内積においては、反変成分と共変成分の組合せで基底を書かずに済むため、 *2
ビギナーは「まなぶもの」と読み、ベテランは「ガクシャ」と読もう。この区別は本質ではない。
*3 名実に反変表記と共変表記か、見たまんま反変成分と共変成分で呼び分けて欲しい。 *4 http://eman-physics.net/relativity/variant.html 最後の「訂正すべきこと」の節まで読むべし。 勾配習慣的に、ベクトル幾何では長さの基底を正基底とする。
関連して、任意のスカラー場*5の全微分に関し、
逆基底表記を使うと次のように書ける:
簡単な例として、1次元における関数の勾配を考えると、 正基底を倍にして、なる座標系を考えると、 をに代入すると、が得られて、が求まる。 |