虚数正弦 $$ \ci \csin $$

公式の導出を追いかけ、「なぜそうなるのか」を考えるのが猫式組立術の原点である。運よく隠された規則があって、それを見出せば、公式を簡単に組み立てることができる。

三角公式の場合は「$$ \iro[ak]- $$」や「$$ \csin $$」になるのには理由が必要だが、答えはオイラーの公式$$ e^{\ci \theta} $$$$ = $$$$ \ccos \theta $$$$ + $$$$ \ci \csin \theta $$を使って次のように$$ \csin $$$$ \ccos $$を複素指数で表すときに現われる$$ \ci \csin $$に隠されている。

$$ \left\{ \begin{array}{l} e^{+\bi \theta} = \ccos \theta + \ci \csin \theta \ffdstrut \\ e^{-\bi \theta} = \ccos \theta - \ci \csin \theta \ffdstrut \end{array} \right. $$$$ \left\{ \begin{array}{r} \phantom{\ci} \ccos \theta = \ffd12 \big( e^{+\bi \theta} + e^{-\bi \theta} \big) \\ \ci \csin \theta = \ffd12 \big( e^{+\bi \theta} - e^{-\bi \theta} \big) \end{array} \right. $$

これを使えば加法定理は次のように導ける。

$$ \phantom= $$$$ \ccos(\alpha \pm \beta) $$$$ + $$$$ \ci \csin(\alpha \pm \beta) $$

$$ = $$$$ e^{\bi(\alpha \pm \beta)} $$

オイラーの公式

$$ = $$$$ e^{\bi \alpha} $$$$ \cdot $$$$ e^{\pm \bi \beta} $$

指数法則

$$ = $$$$ ( $$$$ \ccos \alpha $$$$ + $$$$ \ci \csin \alpha $$$$ ) $$$$ \cdot $$$$ ( $$$$ \ccos \beta $$$$ \pm $$$$ \ci \csin \beta $$$$ ) $$

オイラーの公式

$$ = $$$$ \ccos \alpha $$$$ \ccos \beta $$$$ \pm $$$$ \ccos \alpha $$$$ \ci \csin \beta $$$$ + $$$$ \ci \csin \alpha $$$$ \ccos \beta $$$$ \pm $$$$ \ci \csin \alpha $$$$ \ci \csin \beta $$

展開

$$ = $$$$ ( $$$$ \ccos \alpha $$$$ \ccos \beta $$$$ \pm $$$$ \ci \csin \alpha $$$$ \ci \csin \beta $$$$ ) $$$$ + $$$$ ( $$$$ \ci \csin \alpha $$$$ \ccos \beta $$$$ \pm $$$$ \ccos \alpha $$$$ \ci \csin \beta $$$$ ) $$

実部と虚部の分離

実部と虚部を別々に比較して$$ \ci $$$$ \csin $$がセットになっている$$ \ci \csin $$版の加法定理を得る:

$$ \phantom{\ci} \ccos(\alpha \pm \beta) $$$$ = $$$$ \phantom{\ci} \ccos \alpha $$$$ \ccos \beta $$$$ \pm $$$$ \ci \csin \alpha $$$$ \ci \csin \beta $$

$$ \ci \csin(\alpha \pm \beta) $$$$ = $$$$ \ci \csin \alpha $$$$ \ccos \beta $$$$ \pm $$$$ \phantom{\ci} \ccos \alpha $$$$ \ci \csin \beta $$

さらに虚数単位を計算して、通常の加法定理を得る:

$$ \ccos(\alpha \pm \beta) $$$$ = $$$$ \ccos \alpha $$$$ \ccos \beta $$$$ \mp $$$$ \csin \alpha $$$$ \csin \beta $$

$$ \csin(\alpha \pm \beta) $$$$ = $$$$ \csin \alpha $$$$ \ccos \beta $$$$ \pm $$$$ \ccos \alpha $$$$ \csin \beta $$

表面的ではあるが、$$ \ci \csin $$版の方では全て$$ \pm $$に統一しているのに対し、通常版では$$ \pm $$の中に$$ \mp $$が1つだけ混ざっている。ポイントは$$ \mp $$$$ \ci^2 $$の計算結果である。$$ \ci $$$$ \csin $$が必ず一緒に動くため、$$ \csin^2 $$の前には必ず$$ \ci^2 $$があって、これが「$$ \iro[ak]- $$」に化ける。このため、次の法則が成立する:

正弦陰性則: $$ \csin $$が2つ掛け合わせる毎に、項の前に「$$ \iro[ak]- $$」が1つ増える

次に、通常の三角公式は全て実数である。複素数の式が実数の式になるには、「全ての項が純虚数」または「全ての項が実数」を満たす必要がある。純虚数の項では$$ \ci $$の数は奇数、実数の項では$$ \ci $$の数は偶数になる。これも$$ \ci $$$$ \csin $$が必ず一緒に動くため、$$ \ci $$に対して言えることは、$$ \csin $$の数に対しても言えて、次の法則が成立する:

正弦奇偶則: 正弦数は、等式の各項を通して「全て奇数」または「全て偶数」

実弦・虚弦

名前の問題。従来の余弦$$ \ccos $$や正弦$$ \csin $$と区別のため、猫式では$$ \ccos $$実数余弦、略して実弦$$ \ci \csin $$虚数正弦、略して虚弦と呼ぶ。

本質の問題。図1に示すように、余弦と正弦は、二次元平面上で考えようが、複素数平面上で考えようが、実数値の座標値に過ぎない。一方、図2に示すように、猫式の実弦と虚弦は座標値ではなく、複素数値そのものである。複素数のことは全て複素数で考えるのが猫式の流派である。$$ \csin $$を使った時点でそれが虚数である。

三角関数のように複素数が姿を現わさないところでも、$$ \csin $$$$ \ci\csin $$に書き換えてるだけで見えない世界が見えてくるようになる。

CosSinMap.png
図1: $$ \csin $$$$ \ccos $$
1cosIsinMap.png
図2: $$ \ci \csin $$$$ \ccos $$
fileCosSinMap.png 90件 [詳細] file1cosIsinMap.png 81件 [詳細]
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Last-modified: 2012.0229 (水) 1507.5400 (1881d)