ベクトル積分演算子3次元空間でのベクトル積分と言えば、線積分、面積分、体積分。名前の「線」「面」「体」は伊達ではなく、ある種の次元とも言える積分の階数を表している。それは、、を成分表示にすると良く分る。
問題は、微分では2階微分がと表記するようにの数は階数を表すが、との式では両辺のの数が異なっていて、一貫性に欠けている。これを回避するため、猫式では微小要素の記号に階数を記入する。
同様に、成分表示される面積分はのように書かれるため、の数も階数と直結している。しかし、定積分ではのように書かれるため、面積分をと書くのは都合悪い。猫式では従来表記との互換性を考慮して、を範囲指定の専用記号として、階数指定の記号を別に作る。 スカラの場合、(常)微分と(不定)積分は互いに逆演算であり、次のような関係が成り立つ。 そこで、分数の感覚で、をについて解くと、=のように書ける*1。このため、猫式ではで積分を表記する。また、この表記は積分と微分の相互関係に基づいているため、その関係が成立して当然のように見える。 これらを不定積分、定積分、線積分、面積分、体積分に適応した上、式変形が便利にするために許す書式を一覧すると次のようになる。
分数形と演算子形はそれぞれ微分の分数形と演算子形に対応しており、互換形は通常の積分と似せた表記である。積分範囲を指定しない不定積分ではが登場しない。また、定積分から範囲指定を除いた部分をその定積分の不定積分と見なすことができる。 まとめ・つなぎ微分と同様、積分でも階数は重要である。しかし、通常の表記は階数の表記に一貫性がない。このため、積分の階数を一貫して記述する表記法として、、やを導入した。次回は、これらの表記法を階数が異なる積分を結ぶ置換積分公式に適用する。 |